一度、ひのとりに乗ってみたい。
家内がそう言ったからこの日曜は名古屋を散策することにした。
朝の9時、鶴橋から念願の「特急ひのとり」に乗って、名古屋まで2時間。
着いてすぐメイ地下のコンパルでエビフライサンドを食べ腹ごしらえを済ませた。
名古屋の百貨店の店員は大阪よりはるかに親切。
そんな噂を耳にしていた家内は、せっかくだから高島屋と三越と松坂屋をはしごするという。
わたしは高島屋だけ付き合って、それでたくさん。
では後で。
別行動することにした。
ひとり地下鉄に乗ってまずは名古屋城を訪れた。
幾つか重要文化財が特別に公開されていたが、列に並ぶのが面倒なのでここという見どころをすべて素通りし名古屋城をあっさり後にし、静か佇む休日の官庁街を抜け、繁華街の方に向いて歩いた。
AmazonMusicのBGMを耳にしていると、曲のラインナップにクリスマスソングが混ざっていたから、もうそんな季節かと驚いた。
そう言えば、肌寒い。
初冬とも言えるほどの冷気が身に染み入ってくるのに任せ、平和にくつろぐ栄界隈をぶらついた。
ちょうど松坂屋までたどり着いたとき、家内も用事を終えていたから前で合流し、タクシーをつかまえた。
大須商店街の入り口でおろしてもらい、未知の商店街を夫婦で探訪するが、時間を追うごと混雑の度が増してきたので、大須観音にて手を合わせ、タクシーを呼んでさっさとその場を立ち去った。
いろいろな情報が得られる。
それがタクシーのいいところだろう。
コンパルははるか昔から名古屋にあったが、運転手によればそこで食べるべきはカツサンドであるとのことだった。
手羽先については、世界の山ちゃんより風来坊が上。
なぜなら名古屋二大巨頭とも言える山ちゃんと風来坊の社長の対談があったとき、山ちゃんは風来坊を少し真似たと告白し、風来坊の社長に頭を垂れたから。
だから帰る前に風来坊のある名古屋駅のエスカ地下街をのぞくべきだと運転手は勧めてくれ、そして、そこにある山本屋のうどんも絶品だから必ず持ち帰るべしと助言してくれた。
タクシーを降り、高島屋の地下食で買い物し、目当てであった「ツバメヤのわらび餅」が売り切れていたから、大名古屋ビルヂングへと足を伸ばして無事調達し、買い物を終えてから運転手が教えてくれたエスカ地下街へと歩を進めた。
まずは風来坊に入って、軽く飲んで食べ、続いては家内が選んだ珍串で飲んで食べた。
そして、山本屋で持ち帰るためのうどんを買った。
午後7時、「特急ひのとり」に乗って帰阪の途に就いた。
ゆったりとした居住感が実に快適。
今度は一両目の最前列に席を取ろうと家内が言うから、そのときまた名古屋を再訪することになる。