空を眺めているだけで心が浮き立つ。
そんな快晴に恵まれた日曜日、わたしは一人解放されて丸一日、自由を謳歌した。
一昔前のわたしならこの自由を読書や映画鑑賞に充てただろう。
が、いつしか体質が変化した。
まずは武庫川へと繰り出した。
広々とした空間に清涼な空気が溢れ、視界全部が輝いて見えた。
木々と川面と青空が三者三様の光を放ち、そんな光の中を一定のリズムを刻んで呼吸し走ると次第、その単調さが恍惚感をもたらした。
カラダを動かせる喜びを満喫しながら、痛感した。
カラダ一つで幸福。
たったこれだけで幸福なのだった。
そしてわたしは欲張った。
ランニングを終えていったん帰宅し、着替えてそのままジムへと赴いた。
陽の光を受けプールの透明度がいつもより増して感じられた。
光を感じつつ泳ぎ、そこでわたしは日常から完全に解き放たれてひとり別の時間の流れにあった。
それは喜びの時間そのものと言えた。
やがて力尽き、続いてはジムで筋トレに勤しんだ。
全身に力がみなぎり、それが満杯となったところでサウナに移動しカラダを細部まで整え、最後はマッサージチェアに横たわってカラダを癒やした。
すべてのプロセスを通じて感じた。
喜びの源泉はカラダにあって、それがすべて。
カラダが喜びすぎたのだろう、空腹を覚えた。
ジムを後にしこのところ馴染みとなった店へとまっすぐ向かった。
運動し肉を食べる。
この喜びにまさるものはない。
必要なものは最小で、わたしはその最小を深く慈しみ、肉を食べビールを飲んだ。