年末年始は格別。
今年も無事、一年のうち最もゆっくりできる数日が訪れた。
仕事の日は朝起きるのが少しばかりは辛いのに、休みだと嬉々として跳ね起きることができる。
防寒して朝の武庫川を走り、息子をまじえ家族三人で朝食をとってからわたしは実家へと出かけた。
もちろん家内が焼いた肉を忘れない。
案の定、父は加湿器の使い方を誤っていて、単に空気清浄の機能だけを使い、それで加湿も果たせると思いこんでいた。
給水タンクに水を入れ、ようやくこの日、加湿が機能し始めることになった。
実家を後にし歩いて御幸森へと向かい年末年始の食卓に添えるコリアンフードを買い求めた。
一体、この混み具合は何なのだと唖然とするくらい狭い通りは人でひしめき合っていた。
一昔前は人知れぬひっそりとした場所だった。
韓流ブームの勢いがいろいろなところに波及して、この通りをも人で埋め尽くすに至ったと思えば、その威力が視覚化されたといったようなものと言えた。
そこから谷四へと移動して、心が解き放たれているからかバーガーキングへと足が吸い寄せられていったい何年ぶりのことだろう、わたしはハンバーガーを頬張った。
その足で事務所へと向かい、正月の飾り付けなど施して来年の抱負など思い巡らせているうちまもなく夕刻。
日の暮れた谷町筋で待ち合わせ、路地に位置するル・カネトンへと移動した。
料理おいしく、テーブルの居住感よく、手始めにシャンパンが空き、白が続いて、まもなく赤のボトルも空になった。
すべて実に素晴らしく、年末年始の序盤を飾るのに格好の店と言えた。
もと来た道を戻って谷町筋でタクシーをつかまえた。
家に手料理があふれている。
年末年始皮切りの日、二次会は自宅で決まりだった。