KORANIKATARU

子らに語る時々日記

息子と電話でクルマ談義

息子と電話で話していて、クルマの話になった。

 

ポルシェでも買おうかな。

息子がそう言った。

 

冗談とは分かりつつ、わたしは鼻であしらった。

就職したての若造に一体なんの意味があるというのだ。

 

不相応に背伸びして、それが様になることは滅多にない。

たいていの場合、伸びた背の方でなく、必死のパッチのつま先にスポットライトが当たるから、かっこいいどころか、みっともないこと極まりないといった話になる。

 

まずは黙って実力を養って、その等身大の拡充を図るべきだろう。

 

たとえば梨泰院クラスの主人公パク・セロイがいきなりポルシェに乗るだろうか。

寡黙に力を蓄え、それを研ぎ澄ましていく執念のようなものに凄みがあるから、共感を呼ぶのであって、つまり、まさしくそれこそが男子の生きる道と言え、そこにポルシェの溶け込む余地など全くない。

 

最初は無力で、だから面白いはずがなく、当然明るくなれる訳もない。

それが若気の時代の真実で、そこでしっかり実力をつけた人間だけが、その先へと至って「楽しい」をわんさか見いだせるようになる。

 

そういうものであるはずだから、もし端からわいわい楽しかったり、うきうき心が弾むのだとすれば何か間違った道筋にあるのかもしれないと疑った方がよく、さっさと軌道修正し、地味に地道に力を蓄える日々を取り戻すのが身のためだと言えるだろう。

 

その感覚が麻痺しないためにも身の回りの品にも気をつけた方がよく、たとえばクルマであるならば、最初はマツダのセダンなど機能に優れ質実剛健でいいと思うがどうだろう。

2023年1月11日夜 北新地 栫山 タコちゃんありがとう