空は晴れ渡り、樹木が風にそよいで陽光を跳ね返し、地上は清涼な空気に満ちていた。
そんな朝の9時、家内の運転するクルマで家を出発した。
一緒に職場に向かう。
近所の人にはそう見えるだろう。
が、家内はヨガでわたしは事務所。
行き先は別々だった。
快晴なのにわたしは仕事のことで頭の中が鬱蒼とし陰々滅々。
一方、家内は賑やかさえずる野鳥をもしのぐほど明るく多弁。
次第、いつも同様、家内の陽気がわたしの陰気を上書きし、クルマを降りる頃にはわたしも歌を口ずさむ程度には元気になった。
そのように助走をつけてわたしは業務に入り、家内はヨガを終えた後、事務所の手伝いで各所へとクルマを走らせた。
昨日は摂津や門真、この日は八尾と東大阪。
家内なくして事務所業務は立ち行かない。
夕刻、家内に一歩遅れてわたしが帰宅し、合流。
運転役を交代し、家内が助手席に座りわたしがハンドルを握った。
向かうはジムで、いつも同様、泳いで筋トレしサウナに入ってマッサージチェアで仕上げ、全身隅々まで浄化され癒やされた。
家に帰って、家内が手際よく夕飯を準備し食卓で向かい合った。
食卓の真ん中にiPadを置き、NHKオンデマンドで林真理子原作のドラマ「我らがパラダイス」第2話を眺めて食事して、家内は白ワインを傾け、わたしはノンアルを喉に流し込んだ。
デザートにりんごを食べて、わたしは新聞に目を通し、家内は引き続きiPadでフランスの紀行番組などに見入って旅情にひたり、互いまもなくまぶたが落ちて、平穏な夜がやってきた。
最近、こんな感じの一日が標準形となっている。