朝8時過ぎ、モーニングを求めてクルマで出かけた。
雨の日曜、珈琲の香りがとてもいい。
雨降る街路をぼんやり眺めて家内が言った。
こんなに静かな日曜日はこれまでなかった。
わたしは黙って頷いた。
雨脚が弱まったところで家へと戻り、わたしは武庫川に向かった。
河川敷は水浸しだったから、堤防道路を走った。
日曜日は車輌の通行が禁止され、雨が降り続いて見渡せど人影もない。
雨音と鼓動とわたしの呼吸だけがそこに存在するかのよう。
余計なものがすべて削ぎ落とされた静寂のなか、「在る」ことの本質にわたしは肉薄しているように思えた。
走り終えて、今度は家内の運転でジムへと向かった。
ジムなしでは気分がすぐれない。
夫婦揃ってそんな体質になってしまったのだった。
プールで意識が澄み渡り、筋トレして力が充溢し、サウナでカラダが浄化され、マッサージチェアで癒やされる。
ジムで得られる心地よさにまさるものはこの世にない。
わたしたちのジム信仰はこのようにして日々深まっていくのだった。
そしてくつろぎの夕飯。
今後訪れる土地について調べるうち、結局、You Tubeに行き着いた。
夫婦共通して関心事の筆頭に「食」が挙がる。
いろんな人の食レポなどを渉猟し、こうして先々に亘って小さな夢が夫婦間にて共有された。
この先も小さな夢を細かく刻んで夫婦の時間が静かゆっくりと流れてゆく。