KORANIKATARU

子らに語る時々日記

ハイソな街で自らの等身大に立ち返る

女房が不在となって、たったその数日間で体重が2キロも増えた。

かなり運動していたが、それ以上に食べた。

 

体重計は、わたしの希望的観測に忖度することなく正直にものを言う。

 

家内が旅先から戻って、わたしの食生活も秩序を取り戻しつつある。

朝は軽く食べ、夜は肉や魚などたんぱく質が中心。

2キロなど瞬く間に消えてなくなることだろう。

 

この木曜日は飲まずに過ごした。

だから金曜日は気楽に行こう。

 

業務を終えて帰途につき、地元の駅を降りたところでタクシーに乗り込んだ。

自宅に寄って家内をピックアップし西宮北口からは阪急電車を使った。

 

苦楽園で下車し西へと歩くと頭上に木星と金星が並んで見えた。

ほら、と指差し家内の視線を促すが、家内の目は苦楽園の街と行き交う人々に注がれていた。

 

降り立った直後からそこは富裕な世界で、通り過ぎるクルマは高級車ばかり、そしてそこに住む人々の着衣と持ち物はどれもこれもひと目で高価なものと分かった。

もちろん散歩する犬さえ優雅に見えた。

 

予約してあった店は思った以上に遠く、かつ、いちいち家内があちこちに目を奪われて足を止めるから、予約時間を過ぎての到着となった。

 

安くてうまい。

そう伝え聞いたとおり一万円のコースでつまみと寿司が十分に堪能できて、どれもネタが素晴らしかったから破格のコスパと言ってよかった。

それでもやはりお土地柄で、どの客も苦楽園のハイソな雰囲気をまとって見えた。

 

そんななか、家内が若きインスタグラマーを発見し、わたしに教えてくれた。

画面のなかのキラキラは実物には微塵も備わっていなかった。

やはりインスタは作為的な演出の見本市のようなものなのだった。

 

場違いな場所に気後れを覚えていた我ら下々の民も、それで少しは余裕を感じることができた。

 

食後、同じ道をたどって駅へと歩き、西宮北口からはタクシーに乗って自宅に戻った。

ほんの少し別世界にお邪魔していただけであったが、何ら見映えすることのない地元の街に深い愛着のようなものを覚えた。

2023年3月3日朝 かんたんハムサンド

2023年3月3日昼 本町 ベトナム料理ふぉーの店

2023年3月3日夜 苦楽園樋之池 鮨 和顔