旅行二日目も忙しく動き回った。
清涼感たっぷりにせせらぐ奥入瀬渓流を散策し名所を一通り見終えて、クルマを八甲田山へと走らせた。
標高1,025mの笠松峠を過ぎると道路側面の随所に残雪が連なり季節が逆行したように感じられた。
途中、酸ヶ湯温泉があったのでそこで一休みした。
秘境に湧き出る濃厚な湯にひととき癒やされて、カラダを十分に温めてからロープウェーにて山頂に向かった。
が、のんびりと過ごすには風が強過ぎた。
雪中行軍の遭難事故があったあたりに向いて心の中で手を合わせ、すぐに引き返した。
続いては盛岡方面へとクルマを向けた。
まもなく岩手山が眼前に現れ、その威容に感服しつつ八幡平を目指した。
夕刻5時には通行禁止となるとの掲示があって先を急いだ。
山道の斜面をぐねぐねと駆け上がっていくと、まもなく壮大な緑野が見晴るかす雪景色へと様変わりした。
午後4時には雪の回廊を一通り走り終えることができた。
そこから所要一時間ほどで宿に到着した。
つなぎ温泉ではここがいちばんいいとJTBの担当者が太鼓判を押した旅館であった。
御所湖を照らす夕日を眺め、それから夫婦で夕飯の料理を楽しんだ。
食後、さんさ踊りを見物し、今年もまた阿波おどりを見に行こうとの気持ちが高まった。
あとは温泉。
地元の家族が大勢いてくつろいで、そんな素朴な休日の雰囲気も相俟って、日頃の持ち場にて降り積もった疲れが雪のように溶けていった。