明石に幾つか顧問先があり、火曜、水曜と当地での業務が続いた。
別々の業者であるが、この双方を受け持っているというのは、大阪の個人事務所として結構すごいことだと素直に思える。
火曜は事務所に女子職員を残し、男子職員を引き連れた。
トリオで業務にあたって、終わった後は3人で打ち上げを行なった。
若手が頼むのに任せテーブルが料理で埋まり、会話も弾んだ。
場末感漂う店の雰囲気が記憶細胞を活性化させ、いろいろな場面がよい思い出となって皆のなか末永く残るだろう、そう思えた。
各自の奥さんのためのおみやげを握ってもらい、そこに揚げたてのコロッケを添えた。
JRの新快速の空き座席にバラバラに座り、眠りに落ちる彼らにわかれを告げて、わたしは芦屋で普通電車に乗り換えた。
地元で軽く一杯飲み足してから帰宅した。
水曜はわたしひとりで別の業者へと赴いた。
ソロで業務にあたって、この日もひとり打ち上げと決め込んだ。
前日と同じ店を訪れたが、水曜は刺し身がないというので簡単に済ませて地元に戻って飲み直した。
一日一日コツコツと業務をこなしてきた。
振り返れば長い道のりである。
だからいつしか景色が様変わりするのも当然のことだろう。
わたしはわたしのままであると思っているが、業務の規模とレベルを思えば飛躍的に成長したと言えるかもしれない。
あまりに少しずつの変化であるから気が付かないだけで、駆け出しの頃、この火曜、水曜の業務をこなせたかと言うと全くあり得ない話だと分かるので、仕事を通じ育った能力があってキャパも大きくなったとの実感が込み上がった。
そしてこの成長過程はまだまだ続く。
つまり、職員を含めてわたしたちは青春真っ只中を生きているも同然で、そう気がつくと何か力が更に湧いてくるように感じられた。
そうこうしているうち、息子たちが次の成長過程を加速して駆け出し始める。
そのときにまたわたしもペースをあげて同様の加速感を共有できたら素晴らしいことだろう。
互い高め合う、青春真っ只中の父子の有り様を思って飲むお酒は実に美味しく、飲み過ぎるのもやむを得ないことだった。