映画「枯れ葉」をみて劇中に挿入されていたマウステテュトットの歌が印象深く残った。
スポティファイは便利でフィンランドの歌手だって手軽に聴ける。
おかげで移動中やジムにて映画の余韻に浸ることができる。
アキ・カウリスマキの描く世界がよみがえり、つまり、目にする日常がそのような色合いと間合いを帯びて、わたしは引き続き別個の世界に置かれているも同然だった。
家内はいま避暑地を旅して、わたしも一風変わった旅の途にあるといって過言ではなかった。
音楽もまた世界を変える。
着るもの、住む場所、食べもの、付き合う顔ぶれで世界は変わるが、聴く音楽でも変わるのだった。
大阪下町で暮らしていた少年期のことが思い出される。
二本線の芋ジャージを着て、周囲をいわくつきな悪相の者に取り巻かれ、粉モンにソースをだぶだぶ垂らせて食べていた。
そんな日常ははるか遠くに過ぎ去ったのだった。
逆向きの変化でなくほんとうによかった。
心温まる映画のラストシーンが何度も何度も頭に浮かぶ。