KORANIKATARU

子らに語る時々日記

時間に余裕があると余計な遠回りがつきまとう

この日は垂水にて新しい顧問先を得た。

道中、HPで経歴を見てもしやと思ったところが案の定。

その医師は33期の友人と大学で同期だった。

 

ラインで33期の友人と言葉を交わし、お相手への親しみが湧いた。

 

だから初めて会って「もっと早く知り合いたかった」と声をかけられ、友だちの友だちは友だち、もっと早く知り合っていてなんら不自然なことではなかっただろうと素直に思えた。

 

無事成約し嬉々と心弾む帰り道、懸案事項が頭に浮かんで足が止まった。

先に仕留めるべき用事をまずは片付けねばならなかった。

 

それでわたしは駅前のカフェに立ち寄った。

 

今夏の旅行でわたしはエディンバラ担当を任ぜられていた。

家内がロンドンを受け持ち着々と充実の旅程を組み上げている。

一方、わたしの方はまったく手がついていない。

 

もちろん骨組みについては役目を果たした。

航空券を買いホテルを予約し現地で困らぬようタクシーアプリをダウンロードしeSIMを買い求め、現地ではほぼすべてがタッチ決済だと耳にしたからアップルペイが自在に使えるよう複数のカードを登録し海外旅行保険にも加入した。

目玉中の目玉であるミリタリー・タトゥーに至ってはプレミア席まで確保した。

 

が、現地で過ごす数日間に何をするのか何を食べるのか。

いまのいまに至って白紙のままなのだった。

 

苦し紛れにネス湖へのエクスカージョンを提案し一蹴されて、代案など思い浮かばずわたしはかなり苦しい状況に立たされていた。

 

期日は刻一刻と迫って気持ちは焦る。

しかしカフェでパソコンを叩いても、これといったプランは出てこない。

 

で、結局、追い込まれて思考は王道中の王道へと収斂していった。

 

求めよ、さらば与えられんとの語が聖書に記されているとおり、旅においても解を探すならまずは原典にあたってこその話なのだった。

 

わたしが手に入れるべきは「地球の歩き方」であり、そうと分かってわたしはすぐさまカフェを後にした。

 

余裕があると決まって時間は無為に浪費され、最後の最後になって実のある答えがもたらされる。

 

不動の原典が存在するのである。

素人なのであるからその受け売りで十分役目を果たせる。

なんでさっさとそういうことが分からないのだろう。

この遠回りのメカニズムが不思議でならない。

2024年8月6日昼 谷六 ヨツバカリー

2024年8月6日午後 垂水 ホーリーズカフェ

2024年8月6日夜 西宮 白ぼしラーメン