KORANIKATARU

子らに語る時々日記

まだこの先へと進みたい

頭重感を覚えた。

普段なら一気軽快に仕上げることのできる書類作業にさえ億劫さを感じた。

今週はいつもにも増して忙しかった。

 

さすがに疲労が蓄積しているのだろう。

 

その昔、毎週マッサージに通う時期があった。

仕事の手が鈍る前に定期的に手を打っていたのだった。

 

長い職業生活を通じ定番になった習慣を侮ることはできない。

それはわたし自身を成り立たせる小さな「伝統」とも言え、定着したのだから意味があり、疎かにすれば仇となりかねない。

 

このところジムに比重が移ってマッサージが後景へと退いていた。

しかしわたしにとって大事な援軍であることに変わりはない。

やはり前景に出てきてもらうべき話だろう。

 

お酒を飲んでいるときはしばしば立花駅で降り、正宗屋に寄っていた。

飲まなくなって一つ手前のJR尼崎駅で降りることが多くなり、駅前のドトールやスタバであともう一踏ん張り仕事を片付けてから帰宅するようになった。

 

お酒ひとつでこのように時間の過ごし方だけでなく生活圏も変化するのだった。

 

それで金曜の夕刻、わたしはドトールの一角にいて、そこで仕事の勢いが急降下していくのを自覚した。

 

今こそ定番の伝統を復活させねばならない。

 

いろいろいい風にわたしは良き巡り合わせに恵まれている。

伝統復活に見合う店を先日見つけたところだった。

 

わたしはパソコンを畳んで予約の電話をしながら店へと向かった。

 

もう55歳なのだった。

十分に幸せな人生だったが、まだこの先、やりたいことが残され、やらねばならないことも少なくない。

 

そういう意味でマッサージを受けることはわたしに課された義務とも言えた。

 

へたり込むようにして店へと入り、全身もみほぐしとフットケアを合わせてたっぷり120分、課された義務にわたしはこの身を差し出した。

2024年9月20日夕刻 JR尼崎駅