昨年の3連休は台北を訪れた。
今年は済州島を行き先に選んだ。
東アジア屈指のリゾートであるから一度は行かねばならない。
そう思って直行便がなかなか取れず先延ばしになっていた。
土曜日の朝、伊丹空港までの道は空いていた。
タクシーですいすい進んでスムーズに搭乗し気づけばチェジュ空港に着いていた。
ソウルと異なり人もまばら。
入国審査は素通りレベルで、グランドハイアットまでクルマで10分ほどだったから、まったく骨を折ることなく快適な部屋へと導かれたようなものであった。
夫婦であちこち遠出するが、こんなに楽な行程はなかなかない。
この時点で済州島は再訪の候補に挙がる地となった。
街に慣れようとぶらり歩いて、涼しい風に吹かれながら異国の空気を楽しんだ。
家内がネットで調べ超人気店が近くにあると分かった。
「熟成到」の入口に予約用の端末が置かれていたが軽く無視して受付にて席を所望した。
受付女子は端末から予約せよと杓子定規に繰り返すが、英語も分からぬアホなふりをしていると背の高い韓流男子が現れて、わたしたちを席へと案内してくれた。
まるで奇跡のように全く骨を折ることなくわたしたちは超絶人気店の席にありつけたのだった。
おすすめどころを頼んで一口一口、人気の所以に納得しつつわたしたちは本場の豚肉を堪能し尽くした。
そして普段なら同じ店で締めの冷麺をいただくのであるが、せっかくだから冷麺は冷麺、人気の店で食べようとタクシーにてオルレ冷麺へと向かった。
ああ、済州島は冷麺も素晴らしかった。
口にしたすべてが記憶に深く刻まれて、その記憶によってまたわたしたちはこの地へと手繰り寄せられることになるのだろう。
優しい店主に手を振って店を後にしタクシーで移動し、腹ごなしを兼ね夜は東門市場を散策することにした。
市場は活気に溢れ、そこに身を置くだけで働くことの何たるかが理解できるような気がした。
夜店で海鮮をつまんで、果物屋でみかんを買い、生地やら布やら寝具やらを取り揃える店に行き着いて、肌触り良いハンドメイドの品が豊富にあって家内はあれこれ広げて値切ってそのいくつかを買い求めた。
帰りもタクシーで。
あとは部屋に帰ってゆっくりするだけの時間が残されていた。
ああ済州島は素晴らしい。