家で帰りを待っていると、連絡が入った。
もうすぐ駅に着く。
近くで食べよう。
エステを受け終えた後、食事の支度が億劫になるのも無理はない。
部屋着のままわたしは駅へと向かった。
この日は家内がヨガを終えた後、たまたま近くにいたので一緒に昼を食べた。
子育ても終えた夫婦であるから昼夜を問わずこんな感じでカジュアルに外食するのもいいだろう。
近所のイタリアンで食事するのは久々のことだった。
家を差し置いて近所で食事する方が「わざわざ感」が強く、だから近ければ近いほど足が遠のくのだった。
が、これからはもっと頻繁に近所を活用してもいいだろう。
もうこの歳。
家内には目一杯楽をしてもらわなければならない。
向き合って食事して、週末や年末年始の予定を話し合ってつくづく思った。
しょっちゅう顔を合わせているからそのたび予定がバッチリ噛み合って、更に顔を合わせる機会が増えていく。
店の前にスーパーがあった。
食後そこで買い物してから家へ向かって並んで歩いた。
暦では立冬。
夜になって冷え込みの度が増したが気持ちはいたって温かでこれこそ暮らしとの実感を覚えた。