KORANIKATARU

子らに語る時々日記

寂寥の影も形もない夜道

土曜日だからといって毎回休める訳ではない。

特に今月は仕事が土曜へとはみ出す週ばかりになってしまった。

 

もちろん家内は喜ばない。

 

もうこの歳である。

無理せずぼちぼち仕事し、週末は出かけて過ごす。

そうあるべきとわたしも思うが、それは仕事をしっかりこなしてからの話であって仕事をないがしろにして心の平穏は得られない。

 

この日は折衷案として仕事先の奈良で少し羽根を伸ばすことにした。

家内に運転してもらい業務のあとはランチし買い物し、業務の記憶は奈良でくつろいだ記憶に上書きされた。

 

自宅に戻って夕刻はひさびさ走った。

走るとほんとうに頭がすっきりする。

 

爽快感にひたって夕飯について夫婦で思案し鉄板焼が浮かんで芦屋の「さはら」を予約した。

 

今度はわたしがハンドルを握った。

駅前の地下駐車場にクルマを停め、大丸やコープで買い物してから店まで歩いた。

 

日がとっぷりと暮れたなか住宅街には冷気が漂い、辺り一帯がしんと静まり返っていた。

なんとも切ないような光景であるが家内の二万語がその寂寥を切り裂いてわたしたちの足元はぽっと明るく照らされた。

 

「さはら」の料理は具材よく焼き加減よくとても美味しい。

わたしはノンアル、家内はビールとワインを飲み、各種一品を楽しんだ。

 

帰途、アイスクリーム屋があったから立ち寄って、わたしはコーン付き、家内はカップのアイスをそれぞれ2種盛りで注文し、どれどれと互い交換しながら食べて駐車場へと歩いた。

寂寥の影も形もない夜道であった。

2024年11月9日昼 ならまちcafe756SKY

2024年11月9日夜 芦屋 鉄板さはら

2024年11月9日夜 芦屋 ジェラテリア・ラッフィナート