KORANIKATARU

子らに語る時々日記

静かな暮らし

正月元旦である。
墓参りに初詣、年始の挨拶などやることは多いけれど、完全に仕事から解放され一年のうち最もゆったりした気持ちになれる日だ。
2011年は何とか凌げた。
2012年もつつがなき年であるよう、地道着実に歩を進めたい。
出遅れることなく早々に仕事着手し、イメージするところの先頭集団に留まり続けたいところだ。

昨年末、目が回るような激務で蓄積した疲労も、ほぼ除去できた。
2月節分で、暗々とのしかかっていた厄年という呪いの言葉からも解放される。
清々しい見通しで臨む新年である。

そして今年、長男がいよいよ6年生となる。
受験の正念場だ。
これまで勉強については、肩の力を抜き気味にやってきた。
受験に臨む一年、限られた日数のなか、どれだけ腹に力入れて勉強に取り組めるか。
危機感を家族全体で共有して過ごす一年となる。

普段よりも一層地に足着いた、地味な暮しを貫徹することになる。
仕事であれ勉強であれ効率良く成果をあげるためには、単調で規則正しい生活が基本中の基本となる。
バラつきのある日和見的な姿勢は御法度だ。
非稼働な日を作らないようにすること、10分単位であっても細切れの時間を大切にすること、その心掛けの集積が勉強時間を最大化する。
受験勉強を通じ、仕事術の原則が身に付くことになるだろう。

科目の中では抜きん出て算数が大事になる。
算数ができなくても入れる大学はあるけれど、算数ができないと中学受験では致命的だ。
算数を最もハードに勉強しなければならない。

算数相手にガチンコのぶつかり稽古を繰り返すことで、思考の技巧が磨かれ、情報処理の確固とした基盤が身に付くことになる。
文系的知識は勉強量に応じ年々自然逓増してゆき易いが、算数については、正に鉄は熱いうちに打ての通り「季節もん」である。
てんこ盛りの題材を通じ行われる思考訓練は旬の頃に施されるべきである。時季逸する訳にはいかない。

もちろん、算数の訓練を受けたからといって、それだけで何かが為せる訳でもなんでもないが、あるとないとでは、天地の差。甚大だ。
551のある時、ない時より遥かに、人生において陰に陽に影響を及ぼし続ける要素となりかねない。

子らにデスクワークの真髄を感じ取ってもらえるよう、私自身は年明け序盤から出力全開を続ける。
伴走者としての任をより意識的に務めることになる。
長男より早起きし、長男より遅く寝るなど当然で、飲み会に参加する日以外は、現役受験生以上に勤勉に仕事に精出す毎日を送ることになる。

二男にとっても、長男が置かれる緊張感渦巻く環境を傍目に、とてもいい予行演習となる。
張り詰めるような息遣いまで伝わる距離で、受験の真実を体験できるのは、二男にとって渡りに船である。

そして、いつか届くはずの良き便りを心待ちにするように、家族皆で静かに毎日を過ごすのだ。
良きこと喜ばしい変化は、静かな暮らしを土壌として密やか芽を出し生い育つ。
家庭が吉報訪れる場所となるよう、家族揃って地味で倹しい生活を心掛ける一年とする。

晴れて終われば、大きな旅行にでも出かけよう。