KORANIKATARU

子らに語る時々日記

素晴らしい入学式だった

吹奏楽部によるノリノリの演奏を合図に、新入生の入場が始まった。
満場注視のなか新中学1年生達は照れと晴れやかさとキリリとした気合が混ざったような表情で会場前段の座席へと進んでゆく。
一人残らず我が家に呼んでご飯でも振る舞ってあげたいような親近感が湧いてくる。

理事長、学校長の式辞、入学許可された219人ひとりひとりの呼名、来賓祝辞、卒業生代表や在校生代表による挨拶、新入生の宣誓、教職員紹介と続く。
式次第は定型通りだが、各話者の意気込みと力強さが胸を打つ。
式のための式といった紋切り型な入学式とは一線画し、たいへんにインプレッシブな内容であった。

まるで婚約の際の両家顔合わせみたいに、学校関係者、教職員、卒業生、在校生代表、新入生そして父兄が一堂に会する。
理事長が学校の理念を説き、具体性に富み奮い立つような今後の教育方針を学校長が陣頭に立つべき者として強く語り、在校生が仲間の大切さについて力説し、卒業生代表からは各方面の先輩ら全員が君たちを支えるという何とも頼もしい励ましの言葉があり、各科目の担当教師一人一人から心のこもった取っておきの言葉が贈られる。

熱く誠実、全方位的なコミット宣言がなされたようなものである。

新入生は、新たな帰属を祝い歓迎され、余計な緊張と不安を解かれこれから始まる6年への意欲を沸々とかき立てられてゆく。
父兄は学校と供に伴走するチームメイトとしての自覚を促され、子を託す安心感を覚えつつ子が迎える新しい年月に思いを馳せる。

入学式とは本来そのようなものであるべき儀式なのだろう。

入学式が終わり新入生が各教室に向かった後、理事長や学校長、学年主任らが父兄席の間近に歩み寄り更に教育について談話をされる。
ここでお世話になるのだという実感が更に湧いてくる。

強い風はまだまだ止まないがいつしか激しい雨はすっかり上がって青空も見える。

そして父兄も各教室へ案内され、座席に座る子らを囲むようにして担任教師の話を聞く。
黒板には「入学おめでとう」と大書きされている。
まさに一丸になるという雰囲気だ。
長男は中央最前列の席で先生を仰ぎ見て話を聞いている。

実際にこの目で見て噂に違わぬ学校の実質に触れることができたように思う。

様々な変化に対応し成長し続ける強い共同体のなか、たっぷり学んで交流し意義深い体験を数々積む濃厚で充実した6年、胸熱く振り返ることのできる黄金の6年を予感させる素晴らしい入学式であった。

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