1
明石での用事を終え、西宮へ向かう。
わしお耳鼻咽喉科に到着したのは夕刻。
待合にはマスクしたちびっ子が目立つ。
おじさん、おばさんもマスクしている。
花粉症のピークにはまだ早い。
風邪が流行っているようだ。
我が家不死身の面々に接していると風邪という存在の概念自体が薄らいでしまう。
伺うと、インフルエンザが流行っているのだという。
症状が重くなる前に、わしお耳鼻咽喉科に駆け込み、適切に処置してもらう、その順番を待つ方々と一時過ごす。
待合は平穏な空気に満ちている。
ここまで来れば安心だ、翻訳すればそのような空気が醸されている。
つい数年前、この場所は何の作物もならない休耕地であった。
それが今や、地元近隣の頼みの綱となった。
待合室だけでなく順番待ちのネット予約の方を含めれば、今日一日だけでも相当な数の方々が来院するのだろう。
ますます鉄板の信頼寄せられる鷲尾先生である。
2
花粉症対策として、恒例となったレーザー処置を受ける。
鷲尾先生から近隣の居酒屋の話などを伺っているうちに、終わりました、と処置が完了した。
花粉症の症状に苛まれる2ヶ月が、これで2週間に短縮される。
花粉の猛威がピークに達する2週間、花粉症の症状は出るけれど、これも季節の風物詩と情緒味わう程度に軽いものとなる。
3
中学入試真っ只中、長男の学校も二男の塾も休みとなって家内が不在なものだから、思いがけない三連休に恵まれたような週末となった。
もちろん毎日仕事するので、連休といっても、あくまで気分的なものである。
日曜は長男がスーパー模試を受けるというので、二男だけを伴い朝5時過ぎに事務所に入る。
車内でAMラジオを聞くが、ラジオの音色が私にとっては幸福の波長持つものであるとふいに気づき、それを二男に話す。
聞くともなしラジオを聞く。
このような時間は間違いなく幸福だ。
二男がコーヒーを飲みたい、というので、二人分を淹れる。
家内がいればカフェインが害悪だとコーヒーなどにはありつけない。
二男にとっては気になって仕方のない飲み物なのであった。
コーヒールンバを流しつつ、二人でコーヒーを飲む。
外はしんしんと小雪が舞っている。
コーヒーというのは特別に意味深い飲み物なのである。
何度も繰り返し君の場面場面に登場する主要なアイテムとなることであろう。
4
父子ともども、空白過多など皆無の日々である。
何やかやと忙しく、課題に取り組みストレスも常に付きまとう。
しかしそのように夢中に過ごす日々こそが間違いなく幸福に関係するに違いない。
のんべんだらり、ぶらぶら過ごして楽に身を任せる、といったことを一瞬夢想し、しかし実際にそのような状態に見舞われれば、虚無に蝕まれると言うかしかないような、得体不明の精神的な苦しさに苛まれるのであろう。
三日連続で近場の食事処を渉猟し、ありがた屋がやはり一番だと意見が一致した。
父子水入らずで過ごし、休日気分満喫の三連休となった。
さて、首でも洗って帰りを待とう。