KORANIKATARU

子らに語る時々日記

「路上で大声出す取り立て屋」

怒号がするので聞き耳立てると貸金の兄ちゃんが電話で凄んで金払えと怒鳴っているのだった。

渾身の力振り絞って発声し辛辣なトーンの大阪弁で、いちまんななせんごひゃくえん払え、中西っ、今からそっち行くぞ、と往来で叫んでいる。


その声に気圧されるが我に返ってほっと胸を撫で下ろす。

いま私の手持ちは一万二千円だ。

しかし私は中西ではない。

誰にビクつくこともないのである。