KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

勝利の美酒

長男が呟いた。 ラグビー県大会で伊丹を破って優勝が決まった瞬間を思い出すと、くすぐったいような心地よさが込みあがってくる。 とても気分がよくなるという。 優勝メンバーの特権だろう。 たった一回でも、どんな分野でも、厳しい戦いを勝ち抜いて頂点に…

ともだち

子らによると散髪屋の店長は桃谷に住んでいたという。 桃谷といえばがら悪い地域の玄関口でもある。 桃谷から商店街を東に15分も進みアーケードを抜けると、その心臓部に至る。 遡ること30年以上前、自我に目覚める薄明の頃合い、私の友人達はその辺りに棲息…

仕事血流

油断するつもりはなかったが、この3連休で少々休みボケに陥ってしまった。 休みボケに陥ると、仕事血流がぐっと落ち込み、仕事と取っ組み合う矯めがなくなる。 デスクに座るも何とも空回りで本腰が入らない。 このつらさは筆舌に尽し難い。 例えとして思い…

笑顔で逃げる

大阪のイタリアンレストランでのこと。 相当に名のしれた初老の紳士が、一見平凡で地味なレストランの料理と雰囲気が気に入って、一人でちょくちょく食事に通うようになった。 レストランは、いつしか評判が行き渡り、ちょっとした有名店のようになっていっ…

ジャンピンダッシュ

夜10時頃、コンビニで何とも心もとない雰囲気で商品を探す少年がいる。 何かお使いを頼まれた様子だが、ぎこちなく不安げだ。 小学校の低学年くらいだろう。 ひとしきり探して少年はお目当ての商品を見つけたようだが、それを手に取りおどおど気詰まりな佇ま…

鬼ケ島二十五景

鬼ケ島に住む友人の話である。 鬼ケ島に住んでかれこれ3年ほど経つ。 子供はまだない。 開業して間もないので徐々に上向きの兆しはあるけれど依然、安閑としていられない暮らし向きだ。 そして何より、相変わらず鬼が怖い。 忘年会シーズン、鬼の居ぬ間に命…

チョットだけ残すダイエット

日々の仕事に忙殺されると、食べることだけが楽しみとなる。 美味なるものを讃える舌鼓が共鳴作用を起こし、喜びがワナワナ身中を駆け巡る。 疲弊し渇いた心身に、美味みのエキスが、温かな雨のように優しく降り注ぐ。 ちょっとお金を払えばどこでもこの雨は…

一生勉強

正月元旦、親戚らが会する中、ゲームに興じる子供達を尻目に勉強をし始めた長男は奇異に映ったようだ。 一体全体元旦から、何事だと。正月に勉強する必要があるのかと諌めるような空気が漂った。 隙あればDSゲームに興じる子がいるように、暇あれば取りあえ…

静かな暮らし

正月元旦である。 墓参りに初詣、年始の挨拶などやることは多いけれど、完全に仕事から解放され一年のうち最もゆったりした気持ちになれる日だ。 2011年は何とか凌げた。 2012年もつつがなき年であるよう、地道着実に歩を進めたい。 出遅れることなく早々に…