KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ひれ伏すにも値しない

激しく雨降り稲光が一帯を白く照らす金曜の夜、わたしは自室で一人映画を観た。 セットしたDVDは『スイス・アーミー・マン』 登場人物は二人。 うち一人は死体。 漫才で言うところのボケ役を死体が担って、死体がコミカルに描かれる。 無人島を舞台にこの死…

一人に安住し憩った

仕事が早く片付いたのでさっさと帰ることにした。 夕方を前に帰宅するなど滅多にない。 時間があれば過ごし方は幾通りもある。 ジムに映画に一杯飲み屋にサウナにマッサージ。 プールで泳ぐのでもいい。 が、このときは家に帰るという考えだけがまっすぐ頭に…

男子の文法を身につける

蒸し暑い夜、空調効かせた部屋で下の息子と二人で過ごす。 食べ物の話となって夏はカレーだろうと意見が一致した。 CoCo壱番屋のカレーが美味しい。 最近その味に魅了され足繁く通う者として喧伝するが、彼の方が早くに常連であることが分かった。 互いお気…

払いを求められたらかなり高額

JR環状線が動いておらず地下鉄を使う。 谷町九丁目にて乗り換え天王寺で下車。 割烹天田はそこから歩いて5分の場所にあった。 グーグルマップを片手に見ながら未知の路地へと歩を進める。 まるで秘境。 高い城壁に囲まれ入り組んだ迷路を行くような感があり…

背丈の伸びと同じようなもの

ジムで走って和らかの湯で憩い炭酸水を飲んで寝る。 これがここ一年を通じての標準的な夜の過ごし方である。 標準仕様の夜以外には二種あって、家飲みか外飲み。 外飲みはもっぱら友人らと連れ立つ。 歳を取れば取るほどいろいろな人と場を共にするのだろう…

夕暮れの空に目を奪われ蜂屋の餃子に頬落ちた

炭で焼かれたばかりの鰻が二尾。 それが視野に入って、いったん通り過ぎたが戻って買い求めた。 ただでさえ希少となっているのに今季歴史的不漁に見舞われた。 そのうち鰻は幻の食材となる。 目が合ったのもなにかの縁。 夕飯への飛び入り参加となるが、鰻で…

決めのポーズの行方を見守る

あるメロディが唐突に頭に浮かんで懐かしくYouTubeで探し家内に送った。 『きかんしゃトーマス』のテーマである。 www.youtube.com ある時期、長男が最も好んだサウンドだ。 彼が言葉を発し始める前のことである。 その音楽がはじまると彼はコミカルにカラダ…

孤独と無縁のひとり酒

ごくごく若い頃のこと。 週末土曜、行くところもなく連れ立つ相手もなく、やむなく一人で過ごすという時期があった。 ひとり暮らしであり身寄りもない。 孤独は心身を蝕む。 もちろん状況を打開しようとそれなりに悪あがきはしてみた。 土曜の朝に意中の人に…

言葉が端役になる時代

代わり映えしないような毎日であっても目を凝らせば濃淡があって、「濃」の部分をわたしは日記に書き、家内は二万語の言葉に置き換える。 意識のなか痕跡を残した「濃」も書き留めなければ記憶の藻屑となって地の底に堆積するだけとなる。 だから日記は「濃…

歓喜は続くどこまでも

火曜あたりから悪寒おさまらず咳も出て体調思わしくない。 それでも休むわけにはいかず、各地予定通り出かけて業務をこなした。 水曜は朝一番に西宮で業務があった以外、出かける用事がなかった。 それで事務所にこもって書類業務に勤しんだ。 終日の雨模様…

人間の分かれ目

ごくたまに公園のベンチに座ってひととき過ごす。 日曜の夜、風が気持ちよく、いつまでもこんな風に当たっていたい、そう思った。 それで駅を出てコンビニで缶ビールを買い、自宅前の公園のベンチに腰を下ろした。 近隣の方々が日をおかず熱心に掃除するので…

沁み渡る平穏を味わいつつ

電車が動き出す気配は全くなかった。 しびれ切らしたのだろう。 梅田で待機中の息子からSOSが入った。 午後2時半、仕事を切り上げクルマ走らせ梅田に向かった。 クルマで10分程の距離のはずが、車両ひしめき合って進まない。 梅田は梅田でもよりにもよって…

拝んで祈って命乞いする

地面が揺れると為す術がない。 週明け月曜の朝、肩慣らし程度に仕事し始めたところであった。 無慈悲な揺れに襲われて、こわばった。 カラダ鍛えていようが所詮は水風船のようなもの。 建物が倒壊すれば抗えるはずがない。 自らの無力をリアルに思い知らされ…

世間は狭くすべてが繋がっている

先日家内が訪れ、二男もまた遠足で訪れた。 わたしはこの日訪れた。 土曜夕刻、三宮は人でごった返していた。 仲間5人でグループを組み三宮を散策した二男らの足跡をたどるように、三宮から元町方面へと向かった。 遠足の日、二男は瓢たんの餃子を昼食に選…

飲み会は筋書きのないドラマ

中年だからといってすべての成長が止まる訳ではない。 確かに背は伸びず細かい文字も読みづらくなる。 が、こと仕事に関してはまだまだ伸びる。 だからたまには緊張強いられるような初舞台もこなした方がいい。 別段それをせずとも暮らしに障りはないけれど…

吹き出しに入る文字は同じ

仕事後、ジムに寄る。 日ハム戦を画面に見ながら懐メロを聴いて走る。 風呂には入らず汗だけ流して帰途についた。 自宅にクルマを寄せて家内を迎える。 約束の時間のはずなのに待てど暮らせど出てこない。 明日の弁当の支度にかかって手が離せないという。 …

慌ただしいなか気持ち和んだ一シーン

六月なのに空気が清涼。 半袖では肌寒い。 午前中からのバタバタを切り抜け、午後梅田での用事を終え次へと向かう。 年末や年度末ほどではないが、相変わらず忙しい。 大なり小なり用事があってスケジュールが埋まっていき、実は余力があるからだろう埋まっ…

数字が如実に物語る

とある老人ホームの資料を目にする機会があった。 入居者の男女比率は女性が多く、高齢になればなるほど圧倒的な差となる。 妻は夫に先立たれてから25年生きながらえ、夫は妻に先立たれると5年ももたない。 会議の場、隣席の初老男性がボソリと言った。 数字…

その底流には愛がある

小雨降り続くなかビニール傘であちこち移動し、梅雨時なのでスーツごと蒸した。 京都から戻って夕刻、コンビニで肌着一式を買って着替え今宵飲み会の場に向かった。 北新地駅で降りまずはレオニダスに寄って家内への手土産とするチョコを買う。 続いて向かう…

家族があって友だちがいる

台風5号が日本列島に急接近し、米朝首脳会談がシンガポールにてまもなく行われようとしている月曜の朝、わたしは家でホタテ入り特製カレーを食べコーヒーを飲む。 子らはとっくに出払っている。 猛獣の飼育係である家内にとってほっと落ち着く時間でもある…

二日酔いの日曜、ただ書いただけの日記

土曜夕刻、王寺駅で降り時間があったので息子のバス料金を1万円分チャージした。 それから近鉄線に乗り換え定例の会議の席に向かった。 会議後は恒例の懇親会。 前に座る弁護士がかなり男前になっている。 顔つきがしまって精悍になり体の厚みも増している。…

眠れる獅子がそのうち目を覚ます

野球でもサッカーでもラグビーでも関西強豪校を見渡したとき大阪が圧倒的にその強さで抜きん出ている。 だから学業という点でみたとき大阪星光が関西で際立っていてもいいはずなのにそうはならず先頭集団の影に隠れて鳴りを潜めている。 それもそのはず、進…

月曜の負荷は不均一

脳梗塞や心筋梗塞の発症が最も多いのは月曜の午前。 気分ゆったり落ち着く金曜の朝、そんな話を思い出した。 週末にかけ解き放たれ、ストレスと無縁で過ごす夢の時間は瞬く間に過ぎ、再び鎧兜を装着し職場に向かわねばならない。 この過程で心身にかかる負荷…

キッチン家内は今日も大盛況

南森町で仕事を終え駅前のスーパーマーケットでワインを選んだ。 事務所へ戻りながら市場近くの魚屋に寄って刺し身を見繕う。 中トロ、かつお、かんぱち、たこ、いか。 店主が勧めるネタには外れがない。 7時には戻ると家内に連絡する。 今日は早めに帰って…

人の気持が分かる人と一緒にいれば心やすらぐ

終業の間際、上の息子が途中下車し事務所に姿を見せた。 腹が減ったから寄ったという。 息子がラーメンを食べ終えて戻ってくるのと入れ違い、わたしはジムへ行き軽く走る。 耳にするのは昭和歌謡。 親父世代の流行歌に当時の世相を感じ味わい静かに走った。 …

理想の休日といっても知れている

結局夏は家内と下の息子が下見と称して東京に滞在しわたしは上の息子とこちらで過ごすことになる。 どこかへぶらり出かけてゆっくりしたい。 毎日仕事しているとそんな気持ちが合間流れるCMのようにしばしば浮上するが、腰落ち着けて過ごすべき時期であるか…

日曜団欒の一場面

運動会を終えた二男を伴い、甲子園球場そばにあるトラキチに向かった。塚口のアレグロと双璧なすピザの名店である。 息子はジンジャーエール、夫婦はビールで乾杯した。前菜数種、各種ピザ、締めの料理をすべて家内が決めて注文していく。 一皿の料理が3人…

昨晩友だちと会った

午後6時、時間ちょうどに勢揃いした。 場所は夙川の鶏天。 予約する電話の際から何度も2時間制と聞かされていたが、座敷に座って更にまた2時間制であると念を押された。 連日手術の予定が入っているということでタローとはなかなか会えなかったが、この土…

今夜友だちと会う

帰宅し真っ先に夜食のメニューを聞く長男に対し、家内は言った。 お好み焼き。 そんな階下でのやりとりを耳にし、寝床で横たわる私の頭にお好み焼きの像がありありと浮かんだ。 家内が作るお好み焼きはめっぽう美味しい。 お好み焼きに淡い恋慕の情を抱きつ…

播磨の国から山城の国へ

待ち合わせ場所は淀屋橋。 大阪駅で降り地下鉄御堂筋線に乗り換えた。 電車に揺られること一駅。 odona南側へと急ぎ、そこで待機するクルマに乗り込んだ。 クルマは静か発進し京都方面へとひた走った。 一時間ほどで目的地に到着。 そこで面談することこれま…