2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧
公園で野鳥が鳴く以外には物音ひとつしない明け方、門の開く音がした。 時計を見ると5時。 二男に違いなかった。 彼は本当に朝風呂に出かけたのだった。 どの湯がベストか。 ここらあたりなら六甲道の灘温泉。 前夜夕飯の席でわたしは二男に語った。 その場…
この日夕刻、下の息子が帰ってくる。 6泊7日に及んだ黒姫合宿は待つ方にとっても長かったが、現地で指折り数える側にとっては更に長く感じられるものだっただろう。 夜は二男の求めに応じて外食。 その心づもりでわたしは動いていた。 グーパスの通知で二男…
まれに疲労に襲われる。 頭に握力がない、といった感じで、作業しようが面談しようが肝心要がグリップできずもどかしい。 こんなとき仕事を深追いすることは禁物で、マウンドは譲って外野の守備につくといった回避策を取るに越したことはない。 疲れの原因は…
何年もこの仕事をやっているが、はじめてのお客さんを訪ねるときには少しばかり緊張する。 この日午後、新規先での面談予定が入っていた。 時間よりも早めに着いた。 失礼にならぬよう事業所の前に立ってしばし過ごす。 こんな凪のような時間、いろいろなこ…
日曜の朝、長男を送り出し、奈良桜井方面へとクルマを走らせた。 天理インターで降り三輪山本に着いたのは10時半過ぎだった。 開店前なのにすでにロビーは待ち客で溢れていた。 席に通されたのは11時半。 まもなく万葉大盛りが運ばれてきた。 麺の細さに芸が…
土曜の午後、久々母校に寄った。 同窓会室にはすでに妹尾くんの姿があった。 午後1時から同窓会報の編集打ち合わせ。 といっても長年の蓄積があって形式はほぼすべて整っている。 後輩はその古き伝統を踏襲しつつタイムリーな話題へと刷新していけばいいだ…
緊急事態を知らせるメールだった。 腹が減った、お金はない。 対応したのは家内だった。 時刻は午後4時。 よく冷えたお茶を携え、長男がいる西宮北口へとクルマを走らせた。 途中、やまがき畜産に電話し、作りたての和牛弁当1つを注文した。 クルマを停め長…
夕方から電車の本数が間引かれる。 そう耳にしたのでこれ幸い。 仕事が一段落した午後3時過ぎ、早めに帰宅することにした。 ホームに入ってきた電車をみて驚いた。 こんな時間に混み合うのを見たのははじめてのことだった。 我先に西へと帰還する一団で車内…
台風20号が近畿地方にひたひたと迫る木曜朝、下の息子は信州黒姫へと旅立った。 6泊7日。 うち1日は自由行動を満喫できるようだがそれ以外は朝から晩までみっちり勉強。 大阪とは水も空気も透明度が比べ物にならない。 そんな信州の地で過ごせることが親と…
その日が事実上、夏休みの最終日になった。 GWは六甲山から有馬温泉。 19日の日曜はUSJを開館から閉館まで満喫。 二男が企画し部活仲間と連れ立った。 明けて月曜からは補講があって部活もある。 日常が再開したも同然と言えた。 それでも二男にとってはイベ…
月曜の朝、家族みな忙しくしているが、わたしはひとりのんびり過ごす。 家内が朝食を作り子らが食べる。 その様子を横目に新聞を読む。 各自食べたいものをリクエストするので口にするものは異なるが飲む物は同じ。 食前に特製の梅ジュース。 市場で買った梅…
久々六甲山に登ろうと家内は言うが、息子の食事の世話をしているうちに時計は8時をまわり日差しも強まってきた。 予定変更。 三宮に出て珈琲を飲み明石で寿司でも食べようとなった。 朝10時過ぎ、元町駅に降り立った。 海に向かって歩いて5分、この日神戸…
お盆休みの余韻がまだ残る18日土曜日、日本酒を買い実家を訪れた。一升瓶だと見るだけで気が重くなる。前回父がそう言ったので720mlの白鶴錦を選んだ。 この夜、来夢羅を予約してあった。巽南にある鉄板焼き・お好み焼きの名店である。 以前、事業主の方に連…
大学1年の夏、北海道を旅した。 盆を過ぎた途端、車窓から入る風が急にひんやりと感じられ、夕暮れ時には寒気を覚えるほどだった。 その気温の急変が今も強く記憶に残っている。 昨日、これまでの暑さが一気に和らぎ当時の旅を思い出すことになった。 夜、…
開催の日まで1ヶ月を切った。 大阪星光33期卒後30周年の集いは2018年9月16日夕刻、代表幹事に狭間研至氏を立て、シェラトン都ホテル大阪にて執り行われる。 先生方もお越しになる予定だ。 前回の同窓会は2011年8月13日。 ホテル京阪ユニバーサル・タワーが会…
家族揃っての朝食。 ガーリック焼飯が香ばしくて美味しい。 箸休めには明太子を載せたブロッコリー。 長男を送り出した後、クルマで出発。 実家に寄って両親をピックアップし墓参りに向かった。 そぼ降る雨の山上にて順々に手を合わせ静かなひとときを過ごす…
午前10時、場所はガーデンズの丸福珈琲。家内と向き合いコーヒーを飲む。 なぜ家内が保冷バッグを持参していたのか中を見て納得がいった。千疋屋で買ったというバナナクリームが息を潜めそこで出番を待っていた。 しかし朝から混み合う店内で持ち込みのデザ…
朝、息子を送り出し事務所に向かう。13日から世間はたいていお盆休み、それでも営業している事業所がある。 他に用事がないなら仕事する、それが書類屋の定め。 電車は見晴らし良く空いていて、どこかへお出かけといった人が目立ち、勤めに出るような人影は…
夜食はできたてホヤホヤがいい。 だから長男の帰宅直前に中華屋に出向いた。 地元きっての名店である。 彼の喜びそうなメニューを見繕う。 品を受け取り両手に提げて、ふと思う。 女に生まれていたら男に尽くすタイプ。 演歌世界に登場するような深情けの連…
土曜日、魚屋が開いていたので刺身を買った。 傷まぬようコンビニで買った氷を保冷バッグにぎゅうぎゅうに詰め持ち帰った。 夜食に登場したのは豪華な刺身。 長男は喜んだ。 今日は日曜。 スーパーくらいしか開いてない。 出来合いのものは不味くとてもでは…
朝起きて真っ先に洗濯にかかり、長男が朝食をとる間に洗い物を済ませる。 昼食代を握らせ息子の出発を見届ける。 いつもよりゆっくり目の出勤になった。 この日は、お盆休み前日。 おのずと肩の力が抜け、気楽な感じで仕事に臨んだ。 そして大いに仕事が捗っ…
待ち合わせは午後7時、北浜うおじ。 地下鉄北浜駅を降り西に歩いて5分ほど。 2階にあがると、奥に妹尾敏弘、その前に田中新二が座っていた。 遅刻を詫び妹尾くんの横に腰掛ける。 ではそろそろ始めようとビールを注文したとき姜昌勲が現れた。 姜先生はノ…
水曜日、阿倍野で一日の業務を終えた。 帰り道、正宗屋と目が合った。 家で食べると家内には言ってあったが、足が引き寄せられいつのまにやらわたしはカウンターに腰掛けていた。 素材がよくて味もいい。 知る人ぞ知る浪速下町の名店である。 刺身を皮切りに…
仕事を終えて夕刻。 ジムで走りサウナに寄って帰宅する。 いつもと同じ、これが標準的な過ごし方。 隣家の団欒に加わっていた家内が戻って食事の支度をしてくれる。 夕飯は豚肉と水菜のはりはり鍋。 その二万語に耳傾けながら、鍋をつつく。 そのうち二男が…
家内とともに帰宅する。 テレビでも見ていたのだろう。 二男がソファに腰掛けていたので横に座ってひととき話した。 外国人に人気だという国内の観光スポットがテレビで紹介されていたそうだ。 そのほとんどが訪れたことのある地であり、記憶をたどって懐か…
朝も夜も助手席には長男。 日曜は一日中彼と二人で過ごした。 夜、家内が作る麻婆豆腐と手羽元でわたしはビールを飲み、息子は麻婆丼を食べる。 明けて朝。 わたしはゆっくり目の出発。 朝食は2種のベーグルサンドとハムエッグにバナナ入ヨーグルト。 ドリ…
夕刻、暑さは一向に衰える気配がない。 それでも花火見物の人出は時を追うごとに増すばかりであった。 午後になってちらほら見えた浴衣姿が、わたしが帰る頃には一帯を埋め尽くすほどになっていた。 淀川に向かって牛歩の列を成す人だかりが、炎熱によって歪…
近鉄小阪駅から西九条まで出て環状線を使い大阪駅で降りた。 ごった返す人混みを縫うようにしてルクアを目指す。 地下2階にある人気店コウハクにはすでに列ができていた。 夕刻もまだ早い時間、並んでいるのはほとんどが女性だった。 わたしの他には男子が一…
午後8時、駅を降り線路伝いに歩きながら後方の空を見上げる。 途中何度か立ち止まりその度後ろの人がつかえた。 奇行めいた行動であったが、ただわたしは火星を探していただけだった。 金星は進路方面、燦々と輝く姿が真西に見える。 その東隣、木星もはっ…
この日ラストの訪問先は巽北の事業所。 駅を降りしばらく歩く。 ギンギラの西陽に全身あぶられるかのよう。 このまま灼かれれば命危うい。 昨今の暑さは災害レベル、そう言っても大袈裟ではないだろう。 インターホンを押し2階に上がる。 事業主の部屋に通…