誰かを羨ましいと思う気持ちがない。 土曜日の午後、ジムのマッサージチェアに横たわり、わたしは音楽を聴いていた。 最近、Spotifyのお気に入りのラインナップを刷新したばかり。 いい曲ばかりが流れて、とても気分がいい。 それでふとそう気づいたのだった…
ジムは頑張る場所ではなく能動的にリラックスするところ。 そう認知を変えて、ジム通いが気楽になった。 金曜の夕刻、ジムでたっぷり癒やされて外へ出るとあたりはすっかり暗くなっていた。 雨が降ったのか路面が濡れて、外気のひんやり感が増して感じられた…
最初に存在したのは母親であり、その傍らに父親がいた。 息子にとって最初の人間関係はこの二人に限られた。 ずっと母親がそばにいて、夜になると父親が帰ってくる。 そのように二人だけに囲まれるような日常が続き、いつしかその人数が膨れ上がっていった。…
コロナ禍において課せられていた様々な制約が取り払われ、やっとのこと気軽に海外へと出かけることができるようになった。 手始めにこの7月に夫婦でソウルを訪れた。 家内の妹分と4年ぶりに再会し、彼女が『ラウル・デュフィ展』の翻訳を手掛けたとあって…
信号は赤だった。 クルマのやって来る気配はない。 隣には信号を待つ母子がいた。 男の子は3〜4歳といったところだろうか。 若いママはスマホに見入っていた。 左右の安全を確認し赤であったがわたしは信号を渡り始めた。 と、若いママが叫び声をあげた。 …
前日と同様、プールで泳ぎサウナで整えてから始動した。 午前11時に人気店の予約が取れたので10時過ぎにはチェックアウトしホテルを後にした。 日比谷線で中目黒まで出て東横線に乗り換えて自由が丘で降りた。 この駅で降りたのは二回目のことだった。 一度…
日曜の出だしからただひたすらのんびりと過ごした。 爽やかな朝の空気を窓の向こうに感じつつ、夫婦揃ってタワー館20階にあるプールで泳ぎ、たっぷり泳いだあとはサウナでくつろいだ。 この帝国ホテルのサウナがとても快適で前回のときと同様、ついつい長居…
思い立ってすぐ汽車と宿を手配し、三連休初日の朝、東京へと向け出発した。 特に目的もなく用事もない。 どのみち大阪にいてもすることがないから息子たちが暮らす街でのんびり過ごそうとなったのだった。 着いてすぐフロントに荷物を預け帝国ホテル前からタ…
先日、プサンを訪れた際、現地のタクシー運転手にガイドを頼んだ。 土地勘もなくウロウロするより道案内があった方が充実した旅になる、そう考えたのだった。 観光名所はもとより地元の人が評価するおいしい食べ物屋にも連れて行ってもらえる。 そんな期待も…
野球を見なくなって久しい。 甲子園球場が近所にあるのに足を運ぶことはなく、テレビで野球中継に見入るといったこともない。 平日は仕事の後で運動しまたは飲みに出て、週末は女房と出かけていずれもあっという間に時間が過ぎていく。 いまや野球と言えばジ…
イルカショーの会場は屋外にあった。 間近にある海から間断なく風が吹いて涼しい。 しかし、直射で陽の光を受けるとかなり堪えた。 だから大勢の人が日陰を選んで集まった。 水族館であるからほとんどが子連れで、アジアNo.1であるから様々な場所から観光客…
家内には実の妹とでもいうべき存在がいる。 出会いはパリの美術館で家内の方から声をかけた。 即座に意気投合し、以来途切れることなく交流が続いている。 だからもちろん彼女が住むソウルを旅するときには必ず会う。 夫婦で訪れた7月もそうであったし、先…
こんなわたしの内にも美意識が備わっている。 日記を書くことで、それを強く自覚するに至った。 書くというのは言葉を選択する行為ということができるだろう。 その行為を通じてあらわになるのは美意識で、それは日常生活においても反映されて、結果、普段の…
朝の涼風のなか芝生の上で家内はヨガのレッスンに取り組み、わたしは海を向こうに眺めつつ自重を用いて筋トレに励んだ。 好天が続いて、海は至って穏やか。 立ち入りを固く制限された昨年の海とは、まったく別種の表情を見せていた。 捻挫した右足をかばいつ…
テラスで波の音を聴いているうちに午前7時となった。 ウェブサイトにて一斉に朝食の予約受付が始まった。 パンケーキが食べたいと家内が言うのでわたしたちはシローを予約した。 10番目の席を確保でき、朝7時過ぎには朝食にありつけた。 ゆったりと旅先の…