KORANIKATARU

子らに語る時々日記

種子はすでに胚胎していた

夜に持ち越した仕事があったので、ジムはプールだけで切り上げた。 一日の疲労が泳いで消え去って、頭は冴えわたった。 だから帰途、がなり立てるような電話がかかってきても、まあ平静に対応できた。 相手の胸中を察すれば理解できなくもない。 不安が渦巻…

忙しさ半分、楽しさ半分でちょうどいい味加減

息子たちの身の回りの品を買い求め、春と紛うような陽気の土曜、家内は箕面の問屋街を訪れた。 そこで感じのいい春物のコートを見つけ、家内はそれがわたしに似合うと確信した。 それで日曜の朝、わたしは助手席に乗せられたのだった。 朝一番に出かけたから…

あきらめずに済んでよかった

先日、家内に連れられ美術館を訪れた。 予約は午後3時半だったが、当日の都合で時間を前倒しにする必要があった。 まず最初、ウェブサイトを通じてわたしが時間の変更を試みた。 が、「いかなる理由があっても購入済みのチケットの変更は不可」との表示にた…

オフがあるからオンが生まれる

一週間が慌ただしく過ぎ、気づけば金曜になっていた。 午前中に業務の山場が来て、あとはルーティンをこなして無事、終業の時間を迎えた。 仕事は山積しているが、オフがあるからオンが生まれる。 さあ、遊ぼう。 わたしは皆より先に事務所を後にした。 前日…

これこそが戦う理由

ひさびさに実家を訪れた。 言葉少なに父と言葉を交わしながら、しんと静まる実家の台所に目をやった。 料理を作って動き回る元気な頃の母の様子が目に浮かんだ。 しかしその像はわたしの内にあるだけで、台所は空虚に静まり返りそこだけ時間まで止まったまま…

わたしたちはずっと一緒に生きてきた

もし息子たちが大学生になっても家に居着いていたら家内はたいへんだっただろう。 手抜きのできる性分ではないから食事から身の回りの世話まで全力を傾けたに違いなく、知らず知らず疲弊し、いくらやりがいがあったとしても幸せからは程遠い心境に置かれたの…

最終日はいつだって物悲しい

滞在も4日目を迎え、この日が最終日だと思うと一抹の寂しさを覚えた。 トレッドミルで走るのも4日連続となった。 走りながら思った。 ああ、寂しい。 身支度を整え、ちょうど正午にホテルをチェックアウトした。 前日、長男と原宿のナイキを訪れたが、わた…

この幸せが現在地点でありスタートライン

コーナーツインの部屋だと空が大きく見える。 この日も快晴に恵まれ、朝の青空に誘い出されるようにして家内と周辺の散策に出かけた。 が、空が澄む分、冷え込んだ。 わたしたちは目についたカフェで豆乳ラテのホットを飲み、好天の日曜午前を結局のところ屋…

昼から居酒屋でできあがった二日目

日課である運動は欠かさず、朝、トレッドミルで走りはしたが二度寝して昼まで女房と部屋で過ごした。 ホテルから東京駅へと少し進めば食事処が目白押しで昼食の場所は選り取り見取りだった。 休み気分を満喫しわたしたちは昼から居酒屋に陣取った。 料理が凝…

待ち合わせ場所は水道橋

コンサートが終わる頃合いを見計らって、ホテルの部屋を出た。 大手町から東西線を使って九段下で降り、水道橋方面へと歩いた。 まったく未知の夜道を歩いて、その新鮮さに喜びを覚えた。 二男に手渡す料理などを手に提げ、その手応えと併せ、生きていること…

今回もまた行き先は東京

上京する際、あれもこれもと家内は料理をこしらえる。 息子たちが喜ぶと思えば、労を全く厭わない。 それはそれでいいのだが、送ればいいのに持参するから荷物の嵩が増して重くなる。 もちろん運ぶのはわたしである。 だから、ちょいと愚痴のひとつでも口か…

たくさんの楽しい時間が並び立つ

小学生の頃、遠足が楽しみだった。 その日が近づくと気持ちが浮き立った。 教室を出て、駅へと進む。 男子で縦に連なり、隣の列では女子が連なった。 どこへ行くかなどどうでもよかった。 わいわいと過ごし、弁当を食べ、帰ってくる行程まで含めて楽しかった…

勢い余って踊り出す

早朝から起き出し、家内が息子たちのための料理づくりに取り掛かった。 広々としたリビングに流す音楽はこのほど来日したテイラー・スウィフトの東京ドーム・セットリストで、乗って聴くうち勢い余って家内が踊り始めた。 だからわたしはその様子を動画に収…

寿命尽きるまで、楽しみが尽きない

いい話はいつだって向こうからやってくる。 今年も出し抜けにいい話が舞い込んだ。 「いつかそんな風になればいいのに」 わたしはただそう漠然と思っていただけのことであった。 昨年時点で誘いがあったのに、だからわたしはチャンスの到来に気づかず、単な…

近所へと行って帰ってきたようなもの

寝心地は最上だった。 だから、いつもよりぐっすり寝入って気づいたとき、時刻は朝8時を過ぎていた。 コーヒーを2人分作り、それをゆっくり味わってから最上階のプールへと向かった。 ひと組の父娘が泳いでいるだけでプールはがらんとしていた。 娘の方は…