KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

線に留まらず束になる

つい先日のこと。 東京に遊びにやって来た友人らを二男は歓待した。 全員が京大生で元はと言えば星光生。 焼きそばとたこ焼きを作り母から送られてきた肉を炭火で焼いて振る舞った。 普段から料理の腕を振るう。 日頃泊まりにくるのはもっぱら東大生と一橋生…

家のご飯がいちばんおいしい

仕事納めの日、皆に声を掛けひと足早く事務所を後にした。 途中、郵便局で年賀状を出し追加分を買って谷町四丁目から電車に乗った。 谷町線もJR神戸線も車内はガラガラ。 その様子に年の瀬を感じつつ立花駅で降り、改札で家内の到着を待った。 駅から5分も…

クリスマスの日、神社で手を合わせた

土曜日の朝、銀座で降りまずはゆうゆう窓口を探した。 前夜、和菓子の空也の前を通りかかった。 12月分のもなかはすべて売り切れとの貼り紙をものともせず、家内は店に入っていった。 こういうときにダメ元でも聞いてみるのが家内の流儀で、だからたまたまキ…

あのとき誰もが幸福だった

空港を出て、凍てつく寒さにたじろいだ。 一目散に駆けタクシーに飛び乗った。 信号待ちの際、隣のクルマに目が行った。 ボンネットに積もった雪がこの寒波の強烈さを物語っていた。 だからだろう、車内では温泉談義で盛り上がった。 城崎より有馬。 ブラン…

Merry Christmasとの声が店内に鳴り渡った

家内の銀ブラに付き合った。 普段なら中に入らないが、なにせ寒い。 店内のソファに座って時間をやり過ごした。 隣に若い青年が腰掛けていた。 イヤリングか何かの説明を聞き、つたない日本語で受け答えしていた。 アメリカ人だろうか。 「説明書は英語のも…

空をまたいで駆けつけた

クリスマス・イブの朝、空をひとっ飛び、息子らが住む東京の地に降り立った。 朝7時半、駅前でタクシーに乗って9時に伊丹で搭乗し11時には六本木に着いた。 集合場所は六本木ヒルズのグランド・ハイアット。 わたしたちの到着に続き、幾つものクリスマス…

脈々とその命が受け継がれている

家内が作った手料理をクルマに積んで実家に寄った。 年末年始の過ごし方について父と話す。 大晦日はいつも通り。 実家で紅白でも見ながら父と過ごす。 元旦は墓参りし、そのままうちの家で食事することになった。 母のいない家で正月を迎えるのは寂しい。 …

年末、事務所での一場面

南森町での業務を終えて事務所に戻ると、ビルの前、家内が自転車で出かけるところだった。 やあとこちらに手を振る家内はとても明るく元気いっぱいだった。 役所に向かうという背を見送って、手を振った。 自室で作業していると、まもなく家内が戻ってわたし…

過ぎて終わるのではなく永遠

そろそろ息子らが帰ってくる。 家内の二万語はいつも以上に息子らのことで占められて、彼らを迎える家内の前傾姿勢はその角度を急激に増しつつある。 あれもこれも食べさせようとの話に加え、馬子にも衣装、服も買いに出かけねばならないと行き先が増えてい…

年の瀬煩忙、ただ書いただけの日記

家内に誘われ、仕事を終えてから心斎橋パルコに向かった。 地下にバルができたとはじめて知った。 きじ歯科からの帰りの家内と合流し、スペイン料理マッサのテーブルで向き合った。 スパークリングで乾杯し、前菜を食べ、パエリアで締めたがこれが実に美味し…

サウナが檻となって身を縮めた

月曜夕刻、仕事を切り上げ阪神百貨店の地下で家内と合流した。 地下食で買物を済ませ軽く食事し、帰宅する家内に手を振ってわたしは途中下車してサウナに向かった。 根を詰めて業務に没頭したので草臥れ果てていた。 この日のうちに疲労を抜いておかないと翌…

なにかあればここに帰ってくるだけのこと

寒波が居座り日本列島は引き続き凍てつく寒さに見舞われた。 朝、着込んで走った。 走るとすぐに汗ばみ陽の光にほんのり暖かさも感じたが、走り終えると汗が冷えひどい寒さに打ち震えることになった。 こんなときはサウナだろう。 帰宅し家内を誘ってクルマ…

冬至間近、願う中身は夫婦で同じ

午後5時を過ぎて辺りが一気に暗くなった。 そう言えば、まもなく冬至。 一年のうち夜が最も長い日が近づいているのだった。 光がないと距離が長く感じられる。 寒さも相まって、走り終えてぐったり疲れた。 家に戻ると、家内も帰宅していた。 ヨガのレッス…

大事な情報は奮闘の日々からしか生まれない

たまには寿司と家内が言ったので金曜の夜、野田阪神の寿司屋で待ち合わせた。 店名は、もり。 路地裏にひっそり佇み目立たない。 が、れっきとした江戸前鮨を味わうことのできる名店である。 ひとりで切り盛りし匠の技を寡黙に駆使する大将は素朴で実直。 年…

まもなくあの四人組が再結成

気づけば師走も半ばを過ぎて、各所にて「よいお年を」との挨拶が交わされる時分となった。 えっいつの間にと思いつつ迎える何度目の年末だろう。 一昔前は、地獄のような忙しさであったが、いまは助力と主力が入れ替わって、どちらかと言えば煩忙の渦中の一…

夜道で孤独の三拍子が出揃った

文の里駅で降り、暗夜のなか目的地へと歩を運んだ。 東へと向かう道は寂しく、やはり師走。 日が暮れてから冷え込みが一層増した。 見知らぬ地をひとり歩いて、うら寂しい雰囲気に自身も侵蝕されていった。 暗く、寒く、ひとり。 孤独の三拍子が揃った状態と…

あの頃、わたしたちは若かった

いつもより早めの帰宅となった。 家内には八尾の用事を頼んであった。 戻りはまだ先になるとのことだった。 ではサウナにでも入ろう。 そう思い立って熊野の郷に向けクルマを走らせた。 ハンドルを握って見慣れた街路を南に進む。 慣れ親しんだ地元であるの…

ハッピー・マンデー

空晴れ渡り、頭上に広がる青一色が目に心地いい。 平日にしておくには勿体ない。 そんな月曜の朝、空に心をとらわれつつ、まさに上の空で事務所に向かった。 出だしから好調。 週末にしっかりコンディションを整えた効果が目に見えて現れた。 どんどん仕事を…

見れば落ち込む

当てに行かず振り切る。 そんなスイングに喩えられるだろう。 実に歯切れがいい。 うろ覚えなフレーズや言い慣れない発音であっても迷いなくきっぱり言葉にして発する。 口ごもらないからリズムよく、だからおそらく意味が通じて会話がスムーズに運ぶ。 家内…

何不自由ない暮らしという幻想

昼食を終え、夫婦でマッサージを受けることにした。 家内は行きつけになっている西北のゴッドハンドの元へ、わたしは野田阪神に向かった。 店の雰囲気をそれなりに必要とする家内と異なり、わたしは雰囲気などどうでもよく実質重視。 野田阪神では豪腕のおば…

帰りの電車、行き先は週末

東大阪での業務を終えて夕刻。 そろそろ終業という頃合い、家内から連絡があって梅田で待ち合わせた。 阪神百貨店が先ごろリニューアルしたばかり。 少しぶらつこうとの誘いだった。 金曜の夜、エスカレータで上から下までそぞろ歩いて感じた。 噂通り、見違…

公園で一緒に遊んだあのときのまま

この日は朝から明石での業務だった。 昼を前にメッセージが届いた。 吉報だった。 妹の子が上智大学に合格を果たした。 英語学科だと言うから見事念願が叶ったのだった。 席を外し妹に連絡を入れた。 母が生きていれば、どれだけ喜んでくれたことだろう。 思…

小っ恥ずかしささえも夫婦で共有

移転前、結構な頻度でサウナに寄ってから帰宅した。 新しい事務所に移った後、帰途に適当なサウナがないから足が遠のいた。 が、ハードな業務に勤しむ者にとってサウナは不可欠。 この日、思い立って寄り道できるサウナを探すことにした。 調べると、桜川の…

ふと耳にした昔の名前

長く付き合ったからといって皆が皆、結婚に至る訳ではない。 さあそろそろと話が進む場合もあれば、でもやはりと白紙に戻る場合もある。 後者のケースについて昔話を思い出したのは客先でたまたまある男性の名を耳にしたからだった。 聞けばその男性は第一人…

水面下、もう一つの世界が息づいている

帰宅はわたしの方が先だった。 家内の帰りを待ってソファに座ってそのうち横になった。 寝転がって目を閉じると意識が変性していく。 疎で散漫な世界が、密に接する世界へと様変わりする。 水上から水面下に意識が降下していくようなものと言えるかもしれな…

わたしが笑って家内も笑った

土曜も休みで日曜も休み。 二日連続で休めるというのが、実に嬉しい。 懸案であったリフレッシュは土曜のうちに果たせた。 日曜は丸ごと時間が空いて、予定を家内に委ねた。 では、と家内に買物に連れられた。 先日三田のアウトレットでブルゾンを調達したが…

体調がいいと気分がいい

仕事をしていればいろいろとある。 どうしたって現場は時に肉弾戦の様相を帯びる。 油断すれば弾き飛ばされ痛手を負う。 このところやや押され気味という流れにあった。 だからこの週末が良き水入りと言えた。 ここで一息入れ、週が明ければ猛ラッシュを仕掛…

主の祈りを百回も二百回も一緒に唱えた仲

本町でヨガのレッスンを受けた後、家内はもりやまクリニックに寄った。 森山院長はこの日も気さくによく喋った。 「このところ33期の誰とも会っていない」と話していたとのことであるが、わたしも同じ。 幾人かを除き、顔を見ていない。 家内の方が33期とよ…

母の本能をグッと鷲掴み

歳暮の季節がやってきた。 うちに一番乗りで届いたのは山形のりんごだった。 かなり美味しく家内は喜び、おすそ分けして隣家にも喜ばれた。 続いて届いたのは最高級の伊賀肉だった。 星光の大先輩、28期の松井教授が贈ってくださった。 包みを開けたとき、家…

冬の夕刻、場末で映画

タイミングの合う上映館は塚口サンサン劇場のみだった。 元町から三宮まで歩き、阪急電車に乗った。 塚口で降りるとはや薄暮の時刻。 風が強く冷え込みが増していた。 時間まで駅前のパリミキにて眼鏡を選んだ。 いろいろと掛けて外し、そのたび家内があれこ…