KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

父親の居場所2

5 金曜の午後、西宮北口から阪急電車に乗った。 三宮までは15分程度である。 大阪で生まれ育ったせいか神戸となれば遠く感じるのでたったの15分という近接具合を意外に思う。 15分と言えば、環状線で大阪から天王寺へ行くより近い。 前にお二人のご婦人が座…

父親の居場所1

1 西九条大福湯でひとっ風呂浴び、石鹸の香りと日の光いっぱいの脱衣所でしばし忘我の境に入る。 私には夢がある、と一人空想を巡らせる。 いつか大学生となった我が子が里帰りし私を訪ねてくる。 午後明るいうちから連れ立って銭湯で汗流し近場の酒場で絶…

デジャブの逆

不思議である。 さっきお茶漬けを食べたのだが家内が言うには昨晩帰宅後も同じように私がお茶漬けを食べたという。記憶にないことだ。 連日同じ事を繰り返し、しかしその記憶が全くない。 デジャヴの逆の現象が起こっている。

西宮熊の郷

西宮熊の郷に神戸新聞が取材に来ていた。撮っていいですか?のカメラマンの声に蜘蛛の子を散らすように皆逃げて行ったが、私はそのまま湯舟に佇み無表情で撮られるに任せた。しかし少し離れ同様に湯舟にとどまったもう一人の男性は終始笑顔であった。明日の…

三連休の光景

1 秋分の日が間近に迫る某日朝6時前、月は東に日は西にのちょうど真反対の現象が起こり、「中秋の満月」「私の坊主頭」「日の出の太陽」、この3つの真ん丸が東西を一直線に結ぶという天文ショーが密やか発生し、その日以来、連休を事務所で寝泊まりして過…

70歳のスパイダーマン

1世界は広い。下町風の飲み屋のなかでは阿倍野正宗屋が断然筆頭と位置づけていたが、ほんの数駅南下した南田辺にあるスタンドアサヒはより一層図抜けていた。格が違うとはこのことだ。下町風情という周辺環境においては伍するものの、提供される料理の質が…

人生があと残り僅かだとするなら

1 家の窓が破損するのではとハラハラするほどの強風吹きつけた嵐の夜が明け、台風迫る町の様子を目に納めようとあえて電車で事務所に向かおうとするが、雨ざらしのホームを避ける人の群れが改札やら通路にうごめきごったがえし、運行情報について何も情報な…

楽勝やでと息子に言おう

1 一件キャンセルが入り棚からぼたもち金曜の午後早くに時間が余る。 あまり早く帰宅しても仕方ない、ちょうど疲労のピークであったし、みずきの湯に向かった。 炭酸泉のなか無重力に浮かぶかのように寝そべる。 両腕が湯に浮かび腰も肩もひととき役割から…

号外

今年のハロウィーンは何時頃でしょうか、と田中院長に連絡した。 そこでビッグニュースに接した。 なんと、田中院長が施す禁煙治療で友人の会計士が完全にタバコと縁が切れたということだ。 いまどきは12週間のプログラムのもと、一定期間ごとたった計5回の…

トロピカルなナニワの秋

1土曜夕刻、事務所に寄った家内と食事へ向かうが、新しい店を開拓しようにもここはどうかと暖簾くぐったところのことごとくがどこもタバコの煙立ちこめモウモウたる様子で、ほなご機嫌ようとすごすご退散するほかなかった。吸わない者はタバコに出くわすと…

音楽の世話になりっ放し

1 月曜日午前4時。 クイーンのベストを流して出発。 Another One Bites the Dustを繰り返し聞きつつ、業務開始のとば口を勢いよく突っ走る。 音楽によってほどよく血流が増してくる。 2 音楽については門外漢だ。 かつてちょっと意気がってクラシックのコ…

夕飯のありふれた風景

1 一階の玄関で長男が文化祭で披露する踊りの練習をし、手すり越しに階下見下ろす家内が夕飯のメニューの注文をきく。 帰宅した私の食事を用意し、そしてこれから長男の食事の準備にかかる。 このあと二男が帰ってくるのでまた支度しなければならない。 主…

前線で突っ走る

1 巨漢の兄貴分と飲みに行くことはおろか、正宗屋で一人黙想する時間もなく、田中内科クリニックでの受診すらスキップするほどにタイトな日々が引き続いている。 しかし元気溌剌、充実した毎日だ。 休むと活性度が低減しむしろ調子が狂って苦しい結果となる…

刻一刻と秋が近づく

1 場の空気は人が作る。 大雨洪水警報が発令され外は四方から激しい雨が殴りつけるかのような大荒れ模様であったが、わしお耳鼻咽喉科の待合室はほのぼのとしたような穏やかさをたたえ、まさにどこ吹く風と幼児が遊び来院者がくつろいだ様子で雨露をしのぐ…