KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2020-01-01から1年間の記事一覧

酸っぱいブドウのズワイガニ

仕事のことが気になって目が覚めた。 もはや居ても立ってもいられない。 それで事務所に向かうことにした。 どうせなら正月休みの買い出しもしよう。 そう思い立ちクルマを使った。 朝6時半、土砂降りの雨のなかクルマを走らせた。 辺りは真っ暗。 視界が悪…

夫婦で揃って参照すべきドラマ

洗車してもらいピカピカになったクルマに乗って箕面に向かった。 この辺りにも問屋街がある。 その一角に結構上等な品が揃う店がある。 物色するだけで十分楽しい。 人影少ないフロアで家内とわいわいあれこれ試着する。 遊んでいるようなもの。 リモートで…

比較のサーチライトが細部まで照射する

仕事納めの日は気楽。 だからすこぶる調子よく仕事がはかどった。 夕刻前には課題がすべて片付いて、皆をねぎらいひと足先に事務所を後にした。 神社で手を合わせ、肩がガチガチだったのでマッサージ屋に寄った。 施術は怪力のおばさん。 で、ここで言葉によ…

ハガキの束が年輪に見えた

年末恒例、この日曜日は年賀状作成に勤しんだ。 まずは宛名と基本文面を印刷するが、年々量が増えていくので今回もコンビニでの買い足しが必要になった。 昔なら今の時期、年賀状の在庫は払拭し売り切れが当たり前。 ところがここ数年、品薄になる気配すらな…

一枚の絵によって感覚が一変した

年の瀬だから鍋。 仕事後、野田阪神の満海に寄ってトラフグを引っ提げ、十一屋で選んだスパークリングを手に携え帰宅した。 家内と手分けし夕飯の支度をし、包丁を握った。 が、フグを切るのに難儀した。 こんなに大変なものとは知らなかった。 わたしは一層…

力を合わせ変化を乗り切る

金曜夕刻、実家に寄った。 大晦日も正月も集まらない。 そう決まった。 年の瀬を迎えコロナの脅威は増すばかり。 当然の判断だろう。 長年の習慣がこれで途絶え、親戚が定期に集まるという機会はもはやない。 粗野な飲み会の場と化す親戚の集まりは、わたし…

ブラック・キャットがやってきた

ジムを終え風呂に入っていると、インターホンが鳴った。 家内が階下へと駆け下りてくる音が聞こえ、「ブラック・キャットがやってきた」と言う家内の声が聞こえた。 ブラック・キャットのおじさんと交わす言葉以外は英語。 タブレットを手に英会話のレッスン…

一輪挿しの花瓶と共に歩んだ20年

結婚前の誕生日、家内がわたしにくれたのは黄色いラルフのシャツだった。 それが20年を超えて長持ちし、20歳になった長男が袖を通すことになるなどそのときは想像さえしなかった。 同じく結婚前。 わたしは家内の誕生日にカットグラスの一輪挿しを贈った。 …

行き着いた数が最適値

午後、家内が仕事の手伝いにやってきた。 現れると同時、事務所がパッと明るくなった。 家内が着ていたオレンジのカシミアセーターも明度の向上に一役買ったが、持ち前のキャラクターに寄るところがはるかに大きかった。 あれこれ喋って賑やかになって楽しい…

夢と日記が現実を通路にしてつながっている

登場人物はタコちゃんとカネちゃんと天六のいんちょ。 乗り物は自転車。 皆でうどん屋に集まって、わいわいがやがやおばちゃんに食券を渡すところで目が覚めた。 鮮明に残る向こう側の場面を、現の側にて回想して思う。 これがわたし。 夢の登場人物はもっぱ…

普段より働いた日曜日

日曜も朝から家内はすこぶる上機嫌だった。 朝食の支度をしながら喋りと動きのテンポが急上昇していって、その行き着ついた先はテンダラーのモノマネ。 食卓は笑いの渦に包まれた。 腹ごしらえを終えて二男が出発し、まもなくわたしたちも家を出た。 向かう…

思い出深い夜となった

昨夜は苦楽園。 鮨たかまさの大将と女将は寿しおおはたで仕事していた。 だからおおはたの寿司に少し似ていて、しかし独自の寿司世界が繰り広げられ、感動覚えるほど美味しかった。 品数多くクオリティも高い。 ビール、日本酒、ハイボール、焼酎と飲んで一…

見映えなど最後の包み紙

夕飯は鴨鍋。 具材をポン酢とゴマダレで食べ較べながら、家内の英会話レッスンに耳を傾けた。 今夜の講師はデリー在住のインド人男性。 ジャーナリストというだけあってなかなか知的。 その喋りはかつて深夜のJ-WAVEでひときわ光彩放っていた天才モーリー・…

上本町由来の伝説がまたひとつ刻まれた

場所は上本町。 待ち合わせ時刻より早めに着いた。 暖を取るため近鉄百貨店に入り、本屋でも覗こうとエスカレーターに突っ立って上へ上へと運ばれた。 5階を過ぎたあたり。 下りエスカレーターの側から、おい、という声が聞こえた。 下へと移動する声の主を…

おかん人気ランキングNo.1

いま思うと信じがたい。 特に草木も凍るような真冬の朝。 かつてわたしはそんな日にも4時半に起き始発で事務所に出勤していた。 この朝型スタイルについて、アキオは呆れて言った。 おれらの仕事は朝ゆっくりできるんがメリットちゃうん。 しかし、わたしの…

これでいいのだと知って得した

日が暮れて、極寒とも言えるほどに冷え込んだ。 足がすくむが余計なことは考えない。 無心になると自ずと足はジムへと向いた。 みっちり一時間かけて筋トレし、帰途、自身をねぎらうような気持ちになって満足感に包まれた。 「続けるコツは続けようと思わな…

柏原になるなど想像すらしなかった

今夜はベランダ焼肉。 そう聞いていたので、明石からの帰途、十一屋に寄ってサッポロ赤ラベルと赤ワインを調達した。 この冬最初の寒波が襲来し、真冬並みの冷え込みになる。 天気予報が言ったとおりベランダは凍てつく寒さに見舞われた。 が、炭火が暖をも…

準備整えるなら最重要のものから

揃ってジムで筋トレした後、昼を食べるため家内と外出した。 選んだのはジャスミンガーデン。 桜ノ宮駅で降りたとき、駅の改札で待ち合わせをしていたカップルがいて、歳の差があったから目を引いた。 不倫ではないか。 家内とヒソヒソ話し合い、前を行くカ…

自分のなかの陰陽のツボ

休もうと思えば休めるが、昔からの習性。 結局土曜は仕事に充て、せっかくだからと大いに励むことになった。 ジムを終えて帰宅すると、夜8時を回った。 玄関をあがると家はピカピカ。 年末大奉仕ということで掃除屋さんがかなり励んでくれたようであった。 …

次なる憧れは互い共有のもの

金曜夜。 ジムからの帰途、ひとり町中の道をぶらり歩いた。 クリスマスが近づき、ささやかながらいたる所に電飾の光が灯っている。 自然と優しい気持ちになっていくから不思議なものである。 瀟洒な家があって目を引いて、昔の記憶が蘇った。 借家住まいだっ…

伝説の店は遠い時間の向こうにあった

この日から強力メンバーが加入した。 事務所の厚みが増してただただ嬉しい。 お客さんにもメリットあるから大いに喜ばれることだろう。 わたしとしてはここで働いて幸せになってもらえれば何より。 思えば、すべての良き変化は向こうからやってきた。 わたし…

微か暮らしの物音が家に満ちた

仕事で遅くなったので食事を済ませて帰ることにした。 例年であればこの時期は飲み会だらけ。 それが全くないのだから、そのしわ寄せが家内に行く。 食事の支度も連日になれば負担であるに違いない。 こちらが意識して、たまに楽をしてもらってこその夫婦で…

来夏、裏庭が歓待の場所になる

遊んでばかりいると家が荒れる。 目で見て分かる部分はもとより、見えない部分も少しずつ荒廃していくから放置すれば取り返しのつかないことになる。 だからそれに気づけばその日は吉日。 ただちに身を正さねばならない。 うちに関して言えば屋内はもちろん…

実に都合よく記憶が書き換わっていく

朝、ジムに行き、家でオンラインヨガを受け、午後は仕事を手伝い、家に戻って英会話レッスンをこなし、それから夕飯の支度を整えた家内と夕食後、録画してあったラグビー早明戦を見ていると長男から写真が送られてきた。 バイト先で保護者から貰った付け届け…

日曜夕刻、女房と飲んで懐古談にふけった

家族4人でキャンプに出かけ、木々の香りに安らぎを覚えつつ火を囲む。 飯盒で飯を炊き、さあ夕飯。 ちびっ子ながら旺盛に食べる子らがとてもかわいい。 で、目が覚めると日曜の朝。 心地よい余韻とともに休日のくつろぎに憩った。 いつまで経ってもわたしの…

日本の食は世界最強

久々、母校に寄った。 三者面談は5分で終わった。 あっという間の6年でした、残り僅かですがよろしくお願いします、と担任の先生に頭を下げた。 次は卒業式。 家族の出席は1名に限られる。 家内ではなくわたしが出席し、おそらくその先はもう学校を訪れる…

物に姿を借りて心が届く

この夜、ドクター・オクトパスから最上級のステーキが届いた。 ステーキを抱え記念写真を撮り、二人の息子にまずは写真を送った。 送信と同時、彼らの生唾飲み込む音が聞こえたような気がした。 二人の息子にとってまさに天から降ってきた命のパン。 これに…

若きわたしのそっくりさん

わたしが河内磐船で電車に乗ったとき、家内は天王寺にいた。 しばらく後、「いま放出を出た」とメールすると「大国町から西梅田に向かうところ」と家内から返信があった。 南森町に着いたとき、家内は西梅田の改札を抜けたところだった。 北新地でわたしは電…

美味しかったも面白かったも同じこと

夕飯時、この日仕入れた品を家内がひとつひとつ見せ解説してくれる。 牡蠣、ホタテ、ラ・フランス、あまおう、こみつ、タアサイ、丹波地鶏など。 どこで買ったか、どれだけ美味しくて栄養があるか。 そんな話に頷きながら、夕飯を食べる。 この夜のメニュー…

しょっぱいくらいがちょうどいいのかもしれない

ジムを終えぶらり家へと歩を運ぶ。 耳に流れる音楽が演歌になった。 冷え込む季節、こぶし利かせた歌声がなぜかじんわり心にしみる。 行ったことも見たこともない北国の情景を思い浮かべそのなかに身を置いて、ほとんど忘我。 情緒に満ちたその小宇宙にひた…