KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

強靭化の道をぼちぼち行くのだろう

1 コカコーラから電話がある。 300円を返金しますという。 聞けば長男の話であった。 未明の駅、長男が自動販売機に150円を投入しリアルゴールドのボタンを押した。 出てきたのはリンゴジュースだった。 試験期間中である。 リアルゴールドでシャキッとした…

個人的な伝説の話2

4 週末の仕事明け、夕刻の街路をクルマで進む。 ラジオから恋愛ミュージックが流れる。 醜男のくせして歌につられて往時をしのびそうになり、はたと気付いた。 モテたことのない人生であった。 しのぶような思い出などない。 この先含め出番もなければ惚れ…

個人的な伝説の話1

1 家内が作る弁当について伝説化が始まっている。 長男のクラスで話題となり二男の塾でも注目を集める。 それら現場での情報が各家庭に吸い上げられ、保護者会などで顔合わすママ友らから賛辞を受ける。 しかし、元をたどれば断片を寄せ集めた伝聞情報であ…

夕餉の光景

夕餉の光景。 長男と二男がリビングで食事している。 私はソファで寝そべりその様子を眺める。 用意されたディッシュの数々を二男がぱくつき長男がぱくつき絶え間なくぱくつき手は止まらず学校の話、部活の話、ラグビーの話、塾の話、あれやこれやエピソード…

三十年前よりはるかに重苦しい

1 春の匂いが微か漂う快晴の日曜日、事務所近くのスーパーは買い物客でごった返している。 カート押すおばさんらの間をすり抜けるとサザンの曲が流れ、「ふぞろいの林檎たち」の登場人物、良雄や岩田、おっちょこちょいの実たちのことが頭に浮かんでくる。 …

大阪からの帰途

二男との帰路。神戸線ではなく湾岸線、降口は西宮鳴尾ではなく尼崎末広を選ぶ。広く開けた海、緑陰の武庫川、水辺渡れば心安らぐ。が、尼崎内での右折時、信号渡るおじさんが我ら通すまいと立ちはだかった。美貌の女性なら官能的だがおじさんなので邪魔なだ…

ハネケの「ピアニスト」について2

6 エリカはワルターにすがる。 アイスホッケーの練習場に押しかけワルターに対し、望むとおりにすると、許しを乞う。 ワルターを前に女性として身を任せようとする。 しかし、生身の関係において受け身に身を委ねるコードがエリカの中には存在しなかった。 …

ハネケの「ピアニスト」について1

1 家内とプールで泳ぎ、完膚なきまでに糖質制限された夕飯を摂る。 ハイボールを飲みつつ、ミヒャエル・ハネケの「ピアニスト」を見始めた。 ラストシーンが頭について離れない。 一夜明け、みぞれ降るなか、クルマで事務所に向かう。 U2の ” Hold Me, Thri…

追い払われる

ガーデンズ内にある地名みたいな名のスーパー前に立ち連絡メール打つ。と店員が現れ私が立つ周辺をいそいそ掃除し始めた。いくら鈍感な私でもこれなら気づく。店舗前に不審者が突っ立っていたら追い払うのではなく掃除せよ、こうマニュアルに定められている…

宿題する

帰宅すると長男はリビングで TVにうつつを抜かし勉強部屋は電気もストーブもつけっ放しである。数学の宿題テキストとノートが開いたままなので思わず童心に還って勉強机に座り問題を 解きまくった。TV観てる間に、いつのまにやら宿題が終わっている、間もな…

我が家の国立競技場

1 建国記念の祝日、二男に続き長男が事務所に現れた。 事務所内、別々のエリアに陣取って各自勉強に着手し、私は軽めの整理作業に勤しむ。 我が家の男手が結集である。 それぞれの課題に取り組みつつ寡黙な時間を共有する。 時折、二男が算数の課題を持って…

甲子園筋

日曜の午後、仕事帰りの一コマ。 阪神甲子園駅から徒歩北上する。 ここを歩く場合はたいてい仕事後の上機嫌に浸っているからだろうか、甲子園筋は私にとって良き記憶だけが敷き詰められたエンジェルロードみたいなものと言える。 何かあってもここを歩けば幸…

ものを大切にすることは時間を大切にすることである

1 不良に絡まれ金を出せと凄まれた場合は分かりやすいがいつだって我々はそのような環境に取り巻かれているということを忘れてはならない。 つまり「金出せ」という巧妙な仕掛けのなかに置かれている、という視点が欠かせない。 消費増税が目前に迫り、増税…

活況に湧く大阪

1 二男を塾で拾い帰途につく。 途中立ち寄る場所がありしばらく下道を通る。 かつて家族で夏の尾道を訪れた際にヘビロテした音楽を流す。 思い出は全部音楽に縫い込んである。 聴覚から夏の開放感を招き入れ父子ともども一日の凝りをほぐしていく。 途中、…

中学受験は酷だからこそ。

1 たまたま食事の場で同席した方から終わったばかりホカホカの中学受験の話を伺うこととなった。 医師であるその方同様に息子も優秀。 複数合格を得て中学受験は早々に片付きどこの学校を選択するか家族で最終の話を行うだけ。 そのようになるはずであった…

体調不良

私は今きっとたぶんノロウィルス。昨晩から既におそらくノロウィルス。一人の調理スタッフから発せられ長男の学校を伝ってはるばるやってきたノロウィル ス。何とか車で事務所まで辿り着き今日の書類を片付けいざ市内を回るノロウィルス。マスクで防備し一人…

老夫が老妻を支えて歩く

ともに八十は優に越えているだろう老夫婦を見かけた。 場所は大阪弁天町。 老夫は老妻を支えるようにして腕を組みゆっくり歩を揃え歩く。 時折はだける老妻の襟巻を老夫は立ち止まって丁寧に巻き直し、そしてまた腕を組みゆっくりと進む。 ずっとそのようで…

悲観的な母親が果たす功績3

11 今や早稲田の誇りとなった小保方さんである。 STAP細胞の研究成果はあらゆる側面で山中京大教授のiPS細胞の成果を凌駕する。 偉大なるノーベル賞受賞者の存在を忘却の彼方へ追いやるほどにSTAP細胞の発見は画期的なことであるという。 耳にした話である…

悲観的な母親が果たす功績2

5 月末を切り抜けた感慨に私がふけっている同じ時、家内は長男の同級生のママ友らを我が家に招き歓待していた。 遠路はるばるやってきたママさん達はおもてなしの真髄に触れ感極まったことであろう。 そして、ここの夫がやせるはずがない、と理屈ではなく身…

悲観的な母親が果たす功績1

1 FMからNini Rossoが流れ、その瞬間、記憶の底からトミーさんの姿が突如浮かび、続いて私の不遇の数日の場面が蘇る。 トミーさんは当時の早稲田において私が知るなか屈指のモテナイ男であった。 私もモテナイがトミーさんは絶望的であった。 破れたポイで…

鰻・はし家

津はうなぎの消費量日本一の都市として知られる。 その中にあって筆頭の鰻屋を挙げるとなれば、はし家をおいて他にない。 写真は特上大盛だが、うなぎを堪能するには十分過ぎるほどにご飯はてんこ盛りであり、その地層中にもうなぎがお目見えする。 美味しす…