KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

後で後悔することがないように

鶴橋で降り、アジヨシに寄った。 冷麺を食べてから実家に向かった。 家内が焼いた肉のみやげを父は喜んだ。 暑い夏、肉が欠かせない。 父は頑健であるが、まもなく八十になる。 時の流れには逆らえず、徐々に老いが兆して、だから父の話はカラダの不調ばかり…

いろいろたいへんだったからこそ

春に帰省した際、二男もこのプールで泳いでいた。 その昔、兄弟揃って浜学園に通っていたから、西宮北口は息子たちにとっても馴染みの場所である。 水の中に入ると時の遠近感が薄れ、過去がぐっと近くなる。 二男も昔を懐かしみ、泳ぐことの心地よさにひたっ…

日はまた昇る

電車に乗って座席に腰を下ろしたとき、着信があった。 家内からの電話だった。 とっさにわたしは電車を降りた。 いま南森町のコーヨーに寄るところだと家内は言った。 どこかで夕飯でも食べて帰ろう。 そんな誘いだと思っていたのであてが外れた。 しかした…

食事がカラダを作る

この日も家内とともにジムに向かった。 だんだん部活といった様相を呈してきた。 家内がキャプテンでわたしは部員といったところだろうか。 仕事を終えた夕刻、有意義な時間が積み重なって、末永く続く。 数年もすればわたしは見違えることになるだろう。 ジ…

何気ない場面が名場面

午後の訪問先は自宅近くだった。 事務所に行けば遠回りとなる。 その時間が勿体ない。 だから朝から自室にこもって業務に勤しんだ。 六時半に前の公園でラジオ体操がはじまり、そして蝉が鳴き始めた。 夏を代表する風物詩を味わいつつ徐々に仕事に熱が入って…

わたしはそのうちの一人だった

たまに仕事で遅くなる。 電車を降りると夜10時を過ぎていた。 家内の手を煩わせないよう、夕飯をひとりで済ませることにした。 駅前の居酒屋のうち目についたところにぶらりと入った。 隣に若い男子グループがいて、他に客はいない。 グループの会話が聞くと…

いろいろなものを積んで帰った

桃が食べたい。 家内がそう言ったので晴れ渡る空のもと岡山までクルマを走らせた。 日曜だけ店が開くパン屋で買ったサンドイッチを朝食とし、家内は横で食べ、わたしは信号待ちで食べ、横並びで食べるのがまるでピクニックみたいで実に楽しい。 だから、やが…

ほとんどの仲は「季節物」

いま家内はヨガ友らと仲がいい。 健康や美容について情報交換し日々前向きに取り組む仲と言えるからある種の同志と言えるだろう。 家内と夕飯を食べつつ、ここ最近の交友関係についての話になった。 きちんと関係が残るには「同志」という要素が欠かせない。…

その時々で主題が変わる

夕刻、武庫川に出て海に向かって走り始めた。 走っていると、どういうわけか昔の友人の言葉が頭に浮かんだ。 あれは大学一年のときのこと。 場末の酒場で何のために生きるのかといった青臭い話になって彼は断言した。 女子にもてるため。 若き彼はそう断言し…

そこはかなり瀟洒な住宅街だった

業務を終えたとき、雨が降り始めた。 傘を借り、通りでタクシーを拾って明石駅へと向かった。 せっかく明石まで来たのであるからそこらで買い物するかあるいはちょいと一杯。 普段であればそうなるが、大急ぎで電車に乗って大阪へと向かった。 大阪駅で御堂…

わたしの欠落を埋めてくれる人

運動量が減少し、友だちへの声掛けの回数もめっきり少なくなっていた。 このところジム通いを再開し、運動が不足していたことを痛感した。 なんと不健全なことだろう。 カラダを動かせばカラダだけでなくメンタルも整って、戦闘能力が増す。 そういう意味で…

いつもの道がとても遠く感じられた

尼崎で神戸線に乗り換えた。 が、乗った電車がうんともすんとも言わずまったく動かない。 そして常套句となったアナウンスが流れた。 やはり人身事故。 今しがた誰かが車両に接触したのだった。 速報性ではツイッターにまさる媒体はない。 すぐにタイムライ…

映像によってもエネルギーが注入される

早起きすると一日が長くなる。 ジョギングしてから家を隅々まで掃除し、家内特製のお好み焼きを食べジムに行き、泳ぎ終えたときまだ正午だった。 そこからサウナに入ってマッサージチェアに寝そべって、家内と共にジムを出たのが午後一時過ぎで、西宮阪急で…

京都で幸福感が満ち満ちた

朝、走った後で京都へと連れられた。 買った服の色交換の他、食器や調理器具など調達の必要なものがあり、それに中華の店も予約しているのだという。 ちょうど祇園祭の真っ最中で、この日、三年ぶりに山鉾巡行が行われる。 都大路を飾って23基の山鉾が行脚す…

宝の山を大発見

武庫川を走り終えた帰り道、少年を見かけた。 家の前に出て空模様をしきりに気にしてる。 土曜の朝、これから家族と出かけるといった風に見えた。 歳は5,6歳といったところだろう。 目が合って、その瞬間、わたし自身も少年時代に引き戻された。 大阪下町…

がわを飾ると中身が痩せる

なんだか哀れに思える。 グラスに氷を入れながら、家内が言った。 泳ぐ前に買ってクルマに置いてあったから、スパークリングはすっかりぬるくなっていた。 家内がテーブル越しに、ある人物のインスタを見せてくれた。 性懲りもなくまたニセブランドをアップ…

若者は仲間と共に先へ先へと進んでいく

その時々で目を注ぐ対象が変わっていく。 息子らの中学高校時代はいつの間にやら過ぎ去って、二男が高校を卒業し一年以上が経過した。 七年前、二男が星光生になったとき、わたしは張り切った。 星光がもっといい学校になれば素晴らしい。 そう思って同窓会…

各自の居場所

連日のヨガにジムが加わって家内は更に忙しくなった。 が、その分イキイキとし家庭にとって益がある。 水曜日、帰宅すると家内が熱々スープをこしらえて待っていた。 具材がたっぷり入って腹の足しになり、かつカラダもしっかりと温まった。 そしてジムへと…

この夏、新しい暮らしが始まる

来月引っ越すにしても、まだしばらくは大学に通う。 となると、大手町にも三田にもつながる都営三田線が利便で優る。 それで千駄木とは別途、春日あたりの物件も探索することにした。 不動産屋の軽自動車にわたしたち夫婦と長男が同乗し、各地町並みに目を注…

なかなか夢のある話

涙が浮かんで目が覚めた。 わたしはベッドの上だった。 隣で家内がスヤスヤと眠り、いま銀座のホテルにいるのだと気がついた。 たったいま眼前にしていた団欒の光景は夢だった。 そこでは母が元気で、だからそれが夢だと分かった途端に涙が溢れた。 夢を見れ…

家内の推しはこの二人

曇りとの予報であったがギンギラ太陽が雲を押しのけ、強烈な日差しがあたり一帯に降り注いでいた。 銀座のホテルを出てさっさと地下に潜って銀座線で渋谷に向かった。 待ち合わせは渋谷駅ビルの前で午前11時。 わたしたちが10分前に着き、すぐに二男が現れ、…

家族集結前夜

大手町へと通う利便を考えこの日は千代田線沿線の賃貸物件を見て回った。 不動産屋のクルマに運ばれ事前に選んだ七件を内見し文京区千駄木の物件二つに絞った。 周辺環境に恵まれ地盤も良く、息子も納得するに違いなく、直ぐにでも引越したいと言うのは目に…

そのとき何をしていたか

チケットは前日に家内が購入していた。 9時9分新大阪発で11時36分に東京駅着。 だからわたしがツイッターでその報に触れたのはのぞみが品川駅を過ぎまもなく東京駅に着くというタイミングでのことだった。 大和西大寺と言えば月に一度は訪れる見知った日常の…

無用な言葉が不吉な予言となって成就する

先日のこと。 家内はママ友らと数年ぶりの再会を果たした。 息子の就職内定を互い喜び合って積もる話にひとときふけった。 暮らし全般に渡ってつつがなく、みな幸せそうであった。 懐かしい面々と過ごす時間はだからとても居心地よく楽しいものとなった。 そ…

完全至福にて完結

北新地駅で待ち合わせた。 月一度のヘッドマッサを受け元気ハツラツ。 家内が颯爽と現れた。 地上にあがって緒乃へと向かった。 緒乃もヘッドマッサも簡単には予約が取れない。 家内にとっては稀有なカリスマを渡り歩く至福の一日と言えた。 一昔前なら巻き…

うちの高気圧ガール

家内の方から風が吹く。 いつもそう。 今回もまた連れられた。 家内が入会したジムに結局わたしも入会することになった。 その存在は予てより知っていたが、わたしの選択肢にのぼることのないジムだった。 なんであれ空いている方へと流れる。 そんな気質を…

閉じるのでは、開く

神戸線と宝塚線が尼崎駅で合流し大阪駅へと続く。 その向こうに進めば京都駅に至るから路線の呼称は京都線となる。 このところ人身事故が頻発している。 雨が降る頻度より多く、神戸線、宝塚線、京都線のどこかで誰かが電車に接触し、定型のアナウンスととも…

一寸の虫にも五分の魂

土曜日はカンカン照りのもと、日曜日は小雨の混じるなか武庫川を走った。 身を焼かれるような暑さにも参ったが、熱い湿気に覆われる息苦しさにも打ちのめされた。 だから両日とも後半にはがくんとペースが落ちた。 が、「走る」から「歩く」へと降下しつつも…

すっと姿を消す人

料理教室に参加したときのこと。 食事が終わって、さあ後片付けとなったとき、先生が言った。 後片付けはこっちでやるのでいいですよ。 で、家内は驚いた。 食べたままの食器をほんとうにそこに残し、席を立つ者が何人かいたのだった。 土曜日の料理教室の場…

失われた「間」の時間をたまには「今」に取り戻す

午前中に訪問業務を終え、事務所への帰途、地元の神社に向かった。 午後二時の太陽を遮るものは何もなく、お天道さまの為すがまま、常軌を逸する熱射が長堀通に降り注いでいた。 異常な暑さがはるか昔の記憶をあぶり出した。 場所はインドのデリーで、容赦な…