KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

見せれば見せるほどその正反対

装いに本性が顕われ出る。 控え目な場合は分かり難いがやたら出力が強い場合はあからさまとなる。 夕飯時、家内が様々な画像を見せてくれた。 娘を虐待し先頃逮捕された女性はかなりのセレブ志向の人だったようである。 とにかくよく見せたい。 思い通りに見…

誰もが重要な登場人物

寂しくなれば電話をすれば済む話。 夕飯のあと家内が二男に電話をかけた。 わたしたちはFaceTimeの画面に顔をくっつけ、部屋でくつろぐ息子と向き合った。 東京二日目。 明け方に目が覚め、彼はひと気のない早稲田通りをひとり歩いた。 朝になって同じ早稲田…

東京で集団就職するようなもの

この春を東京で迎えるメンバーは十数名。 近隣他校のボリュームと比較すればいかにも小所帯であるが、そこは大阪星光、結束は固い。 このほど彼ら66期上京組のライングループが結成された。 メンバーは東大の9人を筆頭に早稲田が5人に一橋が1人。 進む大…

電車が遅延しただ書いただけの日記

玄関を出たとき、寒いと感じた。 薄着を悔いたが、どのみち電車に運ばれ事務所に入るだけ。 いっときの辛抱だと思ってそのまま駅に向かった。 土曜の早朝、あたりはまだ暗かったが、結構な数の人がホームで始発電車を待っていた。 多くが春の装い。 寒さに不…

余技や余力は親の目を盗んでこそ育まれる

四角四面で堅苦しい男であるよりも多少なり遊びの部分もあった方がいい。 悪く言えばテキトー、良く言えば融通無碍ということになるだろうか。 行く道はおおむね熾烈で長丁場となる。 だからサバイバルするには余裕が欠かせない。 先日、隣家の奥さんに聞か…

息子が時の流れを形成していた

寂しいはずはない。 頭でそう思っているだけで、内にわき出て影を落とす心情は、寂しさ以外の何物でもないだろう。 息子が卒業旅行に出かけて4日目。 食事を作る必要はなく早起きも不要。 一気に家事から解放されて自由を満喫。 鼻歌でも漏れ出るくらいに楽…

心得るべき原則はシンプルな方がいい

弁当を持って家内が事務所にやってきた。 会議テーブルに座って皆で昼食を取り、家内がよく喋るものだから場がみるみるうちに和んでいった。 さっきまで事務所のボスが誰かからの八つ当たりの電話を受けて平身低頭していた。 だから沈鬱な空気が垂れ込めてい…

向き合ってこそ収穫大

その昔、非常にややこしい方と関わり合いになることがあった。 最初はまとも、そう見えた。 が、まもなくその危険な本性が顕となった。 切れると声を荒げ、支離滅裂なことを喚き散らす。 非が向こうにあっても、その非さえテコにしてエスカレートしていく。 …

そうやって育ててきたのは家内

午後になって雨と一緒に寒気もやってきた。 駅前での待ち合わせだったが、まずはいったん帰宅した。 暖かい服に着替え、皆で揃って家を出た。 目当ての店は「わびさび」。 が、どうやら月曜も定休日になったようだった。 日曜は満員で予約が取れず、月曜もダ…

拒絶からさえ学びが得られる

芦屋からロックガーデンに分け入って六甲山頂を経て後はひたすら下る。 のべ四時間ほどで有馬温泉に辿り着く。 土曜日、二男はこの行程を大阪星光66期の仲間数名と共にした。 昨年夏、長男も久々再会した西大和の友人らと連れ立って同じ行程を歩いた。 体育…

土曜夜、ここまでよく頑張ったと女房に感謝した

夕食後、わたしは新聞を手に取った。 手付かずのままかなりの分量が積み上がってしまった。 普段、悠長に新聞をめくっている暇などどこにもない。 その嵩がそう明瞭に証していた。 息子らは東京で暮らし、この先、家内にも新聞に目を通す時間はないだろう。 …

存在が空気のように溶け込んでいる

大阪でなら西田辺の「きじ歯科」、阪神間でなら大物の「たかおか歯科」。 院長はそれぞれ阪大、東京医科歯科大出身であるが、元はと言えば大阪星光の33期。 星光生は通う歯医者さんにも困ることがない。 この日、二男は「たかおか歯科」で新調したマウスピー…

この先は子育て後休暇

帰宅すると、家族はくつろぎのなかにあった。 ソファにもたれて映画を観る家内と二男の間にわたしは混ざった。 家内は長男の世話を終え、二男は武庫川を走破して、ともにほどよく疲れていた。 だからだろう、リビングで過ごす様子が幸福そのものに見えた。 …

活性が最も高まる場所

ラグビーの練習が始まる。 だから明日東京に帰る。 息子がそう言ったものだから、昨日、料理の凄みに拍車がかかった。 各種フルーツに肉や牡蠣やパスタやテールスープなど、朝から晩まで食卓に長男の好物が並んだ。 束の間であったが、息子二人が同時に家に…

割れ物注意の但書など無用

先日泊まりに来た男衆はいずれもスポーツマン。 昼にラーメンをすすって3時のおやつに淡路バーガーにかぶりつき、夕方に出前の寿司をつまんで、家内手製のローストビーフを絶賛し、夜中、映画観賞しつつ男三人でピザを分け合った。 観る映画はアマゾン・プ…

楽をさせてあげたいと思って、そう思うだけ

ここ最近ずっと始発で出勤している。 朝の車内に老いた女性が多いことは以前から目に留まっていた。 このところ、南アジア系の若い女性グループも目立つ。 乗り継ぎの時間が迫っているのだろう。 大阪駅に着くと、先を争うかのよう皆一斉に急ぎ足で階段を駆…

運気という非物質を巡る闘争

二男の受験が終わって友人らの寝泊まりが解禁となった。 今夜は久々に長男の親友、OGIの両脇を固めた阪医と京医のコンビがやってくる。 だからわたしは帰途大量の寿司を買って帰ることになる。 つくづく思う。 合格と不合格で天国と地獄。 毒をあおった訳で…

誰と付き合うかで運気が変わる

コロナ禍にあっても業績好調な企業を訪れた。 最後が社長との面談。 業務の話を終えて、社長が小声で言った。 うちと付き合いを始めて取り引き先が増えたのではないですか。 まさしくそのとおり。 人の縁に恵まれ良好な軌跡を歩んでいたが、この会社の業務を…

では、中身とは何なのか

不意をついて長男が帰省した。 食卓を家族4人で囲んだところで、吉報が舞い込んだ。 それでそのまま星光33期の話になった。 毎回言っているとおり。 33期は皆かしこく、その子らもすこぶる賢い。 6年前のこと。 皆が皆、無事に中学受験を突破した。 桜が咲…

分かる人には分かる話

そのとき長男は東大の友だちと渋谷でラーメンを食べていた。 電話が鳴った。 別の東大の友だちからだった。 長男の部屋が水浸しになっているのだという。 ラーメンをかき込み、友だちと一緒に友だちが待つ自分の部屋へと飛んで帰った。 この3人。 すべて西…

ツケの払いは小さくない

大阪星光66期176名のうち18人が東大、56人が京大、43人が国公立医学部を受験した。 結果、それぞれ9人、27人、29人が現役での合格を果たした。 浪人を含めてまとめれば、東大12人(現役9人)、京大43人(現役27人)、国公立医学部46人(現役29人)合格という…

苦味と辛味が相俟ってより一層おいしい

東大文一の発表をもって二男の入試は幕を閉じた。 兄に続いて力及ばず。 東大は甘くはなかった。 英数は強かったが、数学は水物。 加えて、未完成のまま迎えた社会が他大学と異なり二科目も課される。 そのボリュームを前に学力不足は否めず、渡り合うにはも…

いつの日か「町医者かねしろ」にご対面

この日記を読んでいるという女性からメッセージをもらった。 母と妹が金城院長にとてもよくしてもらっている。 かねしろ内科クリニックがあって救われたようなものであり、とても感謝しているとのことだった。 駄文を重ねるこの日記が、かねしろ内科クリニッ…

車内がパッと明るくなった

ジムでたっぷり運動し、夕刻、駅へと向かった。 行き先は女房の実家。 八尾に寄ることはたまにあったが、実家を訪れるのは昨年の正月以来のことだった。 そこで義弟家族とも久々顔を合わせた。 義父が炭を起こし、義母が料理の支度を整えた。 地べたに座って…

春先、まず最初の骨休め

西へと向かう列車に揺られ約二時間。 播州赤穂駅を降りると雨は上がっていた。 薄曇りの空のもと人影もまばらな道を海に向かって歩いた。 ちょうど昼時だったが幸い、かましま水産の店先に列はなかった。 二男を前に、わたしと家内は横並びに座ってテーブル…

各自しっくりくる場所に引き寄せられていく

武蔵小杉に居を定めたのは偶然の成り行きだった。 たいへん住み心地よく近隣の仲間にも恵まれ、ずっとここでいいという考えに長男は傾いていたようだった。 せっかく東京に住んでキャンパスも変わる。 そんな機会を捉えて他の土地も見た方がいいのでは。 父…

確かな繋がりは風呂で育まれる

卒業旅行の行き先は別府温泉とのことである。 入試日程がまだ残る友人を待って、終われば皆で湯につかる。 メンバーは同じ部活の同級生たち。 まさに6年間、苦楽を供にした仲間である。 温泉が選ばれたのはメンバーの中に大の風呂好きがいたから。 その二男…

家族がいると活気づく

夕刻、人もまばらな道頓堀を家内と歩く。 家内が急に思い立って電話し、すぐ予約が取れた。 一昔前なら考えられないことだった。 4階でエレベーターを降りると、視線の先、二男の姿が見えた。 一番奥の上座にそれが当然といった風に座っていたから風格が感…

はるかに苦しくかつ楽しい

思い立って受験し、筆記は一発で通ったが面接は2回続けて空振りの憂き目を見ていた。 3回目の正直。 この日、結果が発表になって無事合格となった。 英検一級と言えば、33期だと島田くんの顔が浮かぶ。 息子がその英語の域に一歩でも近づいたのだと思うと…

力んでいても埒明かない

二年前、まだ戦いが続行中なのに、わたしはひとり先走って浮かれ、せっかくの流れを弱化させてしまった。 だから今回は最後の最後まで水面下にて息を潜める。 そうすれば浮上したとき、二年前とは異なる景色が立ち現れる。 そう考えて肩に力が入ったままであ…