2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
GW初日となる土曜朝は晴天に恵まれた。 野鳥が小気味よく鳴いて青空を横切り、清新な朝の光がきらきらと川面に跳ね、風が吹くたび川沿いに連なる新緑からもまぶしいほどの光がこぼれる。 そんな生気に満ちたなかを走るから、いつにも増してカラダが弾んだ。 …
仕事先でのこと。 事業主との会話のなか淡路島の希凜というワードが登場し、わたしの視線は内へと向いて、その焦点は母へと結ばれていった。 助手席に家内、後部座席に母を乗せ淡路島へとクルマを走らせたのは四年以上も前のことになる。 母は寿司が大好きだ…
日が長くなって午後6時でもまだ明るい。 タクシーを降りると、家内が店の前で待っていた。 テーブル席で差し向かいに座り、互い長かった一日をねぎらってまずはビールを注ぎ合った。 そうそうとさっき聞いたばかりの話が興味深く、家内がどう思うか聞いてみ…
前夜、大いに食べて飲んだ。 だからこの日はジムの後、家内が作ってくれたサラダに箸をつけるだけにしてノンアルで済ませた。 均衡を保つ。 昔はこれができなかった。 飲んで食べれば、その慣性のまま、翌日も飲んで食べるという流れに陥っていた。 飲んで食…
先日、うちにやってきたスキイチは医者になるか数学者になるか迷いに迷った末、京大理学部の合格を辞退し国立の医学部へと進んだ。 しかし、数学への情熱を失った訳ではなかった。 医師としての職務を全うしつつ数学の勉強を続け、五十を過ぎ何か役立つこと…
この時期にしては珍しく冷え込んだ。 前日、ブルゾンを買おうと言った家内は無意識のうちこの冷え込みを予測していたのかもしれない。 衣替えを終え上着類は出払っていたので、新品のブルゾンをはおり、午前中、豊中での業務に入った。 朝起きて、スキイチの…
特に行き先のあてもなかったが、天気がいいから出かけることにした。 助手席に座る家内がナビゲーターとなった。 旅先で羽織るブルゾンが要る、息子らのかばんも見よう。 幾つか選択肢が挙げられて、その中からまもなく最初の目的地が定まった。 わたしは箕…
息子たちは二人とも文章がうまい。 幼少期、家内は読み聞かせを欠かさなかった。 小学生低学年の頃はクルマのなかで日本の名作の朗読を繰り返し流した。 加えて、これはという内容の天声人語を遊び感覚で筆写させた。 小学校高学年になったときには出先でい…
午前中の業務の帰り、通りかかったので実家に寄った。 5月が近づき街が日に日に輝きを増している。 その分、部屋の中が薄暗く感じられた。 父は座椅子にもたれテレビをみていた。 わたしは炬燵の角隣に座って最近の息子たちの写真を父に見せていった。 孫の…
日中は汗ばむほどの陽気となった。 だから、外を回っていつにも増して草臥れた。 帰宅すると家内が玄関周りをきれいに掃除していた。 さっきまで事務所で業務を手伝っていたはずだったから、その神出鬼没ぶりに驚いた。 水を撒きつつ家内が言う。 家の入り口…
先日、東京を訪れた。 その二日目の夜、雨のなかタクシーに乗って広尾に向かった。 店は駅のすぐそばにあった。 家内の友人がそこで働いていた。 友人と言っても、家内が会ったのは一度きりのことだった。 丸の内のヤウメイで家内がひとりで食事しているとき…
面識はあった。 しかしいつか仕事を手伝うことになるなどまったく想像もしていなかった。 ほんとうに人の縁というのは不思議なものである。 この日、仕事で遅くなったので、帰途、寄り道した。 一杯飲みつつ一日を振り返り、だんだん豊かになっていく自分の…
「京大に行かせてあげたい」 先生のそんな言葉が思い出される。 ご自身が京都大学で学んだ。 だから掛け値なしにそこが最高の場所であると知っている。 ぜひ教え子にも京都大学で学ばせてあげたい。 そう強く思う気持ちは親心にも似たものだった。 しかし一…
子を授かってからのことだろう。 神社仏閣に通うことが日常のシーンに溶け込んだ。 胸に生じる切なるものは、そこでしか解き放てない。 昨年はまだ桜が咲き残っていた頃、大和飛鳥の地を訪れた。 今年は、雨に濡れ古道を敷き詰める桜の花びらに過ぎゆく季節…
このところ家内が足繁く通うカフェがある。 本格的な焙煎を施されるコーヒーには手間暇がかかっていて、そこで出されるケーキ類もすべて手作りで普通のカフェで出されるものとは「レベチ」。 同じビルの2階にある美容皮膚科の先生が経営者であり、そのこだ…
気持ちは若き中学3年のときのままである。 しかし、よくよく考えればこのカラダ、人生の3分の2を過ぎかつての復元力はとうの昔に失われているのだった。 ちょっと羽目を外せばたやすく凹み、放置すればその度が増してゆく。 だから強がらず、気付いた時点…
どういうわけか体調のすぐれない火曜日であった。 帰って休もう。 ちらと弱気が頭をよぎった。 しかしそんな甘い考えは、息子たちのことを思うとかき消えた。 社会人となった長男も大学生である二男も、日々、そのベストを塗り替えるような出力で充実の毎日…
朝から晩まで連日ハードに動き回って、日曜の夜に帰阪した。 非日常から日常へと移行する際、多少なりとも心理的抵抗という段差が生じるものであるが、スムーズに月曜日の業務に入っていけた。 上々の滑り出し、と言えた。 快調に業務をこなし、夕刻、これま…
金曜は断続的に小雨まじりで土曜は午後から雨といったように天気に水を差される東京滞在となったが、日曜は一転、雲ひとつない晴天に恵まれた。 朝6時にホテルのプールに出かけ、泳ぎ終えて部屋に戻ると、家内が荷詰めに取り掛かっていた。 天気がいいから…
前日の雨で街の目詰まりがきれいさっぱり洗いすすがれた。 樹々の緑をはじめ空の青など目に映るすべての色彩が鮮やかとなって、空気もひときわ清涼に感じられた。 そんな土曜晴天の朝、家内と連れ立ちそこらをぶらりと散歩した。 芝公園から六本木方面へと歩…
夜半降り続いた雨があがって、緑の香りもふんだんにとても爽やかな朝が訪れた。 部屋の窓を開け、陽の光と清涼な空気を部屋に取り込んで、わたしは28階から地下2階に降りまっすぐホテルのプールへと向かった。 朝7時、プールで泳ぐのはわたしひとりだけだっ…
いつもの売店で弁当を買って新幹線に乗り込んだ。 家内は定番を選び、わたしは目新しいものを選んだ。 こういう場合、味に安定感があってたいてい定番が勝利する。 車内でわたしは業務に勤しみ、まもなく東京駅に到着した。 大阪で使った傘は東京では不要と…
ブロアバスに入って、泳いだ後の快適さにひたって思う。 その昔、かばんに水着を常備し毎日のように泳いでいた。 当時のわたしにはそれが不可欠だった。 ほんとうに昔はたいへんだった。 ひとりで切り盛りしていたから、仕事の負荷と強度はいまと比べ物にな…
地元で仕事があったのでこの日午前は在宅で業務した。 パソコンと電話があれば、どこでも仕事ができる。 そういう意味で小回りの利く、まさにポータブルな仕事で自分の小さな器と性格に合致している。 朝、家内が淹れてくれた珈琲を飲む。 前日の雨が残り、…
今にも降り出しそうな曇天が朝から続き、夕闇が迫っていよいよ雨となった。 傘を持たぬまま駅を出て、アーケードを伝った。 足は商店街の焼肉屋へと吸い込まれていった。 仕事で遅くなるので夕飯は不要。 そう家内には伝えてあった。 「駅前なので来る?」と…
花粉症の何がつらいと言って、筆頭に挙がるのは鼻での呼吸が不自由になることだろう。 年が明けたばかりの1月下旬に微か兆し、春場所の頃、症状が本格的に出始め、桜の開花に合わせて全開となって葉桜となる頃まで続き、以降は小康状態となるもGWまですっき…
中高を通じて、息子たちは多くの友人を得た。 卒業後も交流が続き、それぞれ立ち向かう局面を変えつつ、この先もずっと彼らの友情は保たれるだろう。 そしてその網目を常に実のある思いや情報が行き交って、彼らの糧となる。 だからこの関係は宝と言って間違…
日曜だったが夫婦揃って早起きし、朝の6時には家を出た。 この日、年一回の銅座モーニングが開かれる。 朝6時半のラジオ体操とともに幕を開けるというから、ゆっくりなどしていられなかった。 法円坂で高速を降り、谷町五丁目あたりにクルマを停めた。 そ…
汗ばむ季節となった。 となれば辛いものが不可欠。 ではK-FOODを買いに行こう。 土曜の朝、家内の運転でコリアンタウンへと向かった。 昼近くになると大勢の人が詰めかけてどこもかしこも人だかりとなるから身動きが取れない。 だから早めに訪れ、さっさと用…
この四月から上の息子が社会人になる。 十八まで一緒に暮らし、大学にやってあっという間に四年が過ぎた。 東京で一人で暮らし、その間の成長は目覚ましかった。 勉学に励みスポーツに打ち込み大勢の仲間に恵まれた。 社会人になってもこの勢いのまま更にぐ…