KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

怖いものなどない、内面に頑丈な殻が備わる。

1月末の金曜日、仕事上がりに大福湯のサウナに寄る。白く分厚い雲が空一面を低く覆う。週末の解放感に冬間近という寂寥が忍び寄ってくる。冬は激務を伴ってやってくる。単に長時間働くだけのことなら何てことはない。デスクワークする持久力については長く…

いい兆し

1そそくさと夕食を済ませ二男は西宮北口へと出かけて行った。家内と向き合っての夕飯となる。二男の学校のママらとの昼食話などを聞きつつ、鍋のなか煮込まれたさわらや野菜に箸をつける。私がたこやで買ってきたかんぱち、いか、たこの刺身を添えて魚三昧…

前受け受験という必須の関門

1どこにクルマを停めたのか、そんな些細なことさえ鮮明に記憶に残っている。長男のときは松屋町筋を南へ下りマイドーム大阪を少し過ぎた商工会議所の前に横付けした。二男のときはマイドーム大阪を正面に見る南新町の交差点にクルマを停めた。会場が近づく…

渡米前夜、スーツケースを家族で囲む

1カツ丼と聞いて「たけふく」を思い浮かべない人はない。どこか他の屋号が頭をよぎったのであれば、真実のカツ丼を知らないことが証されたようなものであり、カツ丼もどきを充てがわれていたこれまでの日々から脱するため一も二もなく急ぎ「たけふく」の門…

家族4人で15通りの彩り

1塩元帥と言えば我が家お気に入りのラーメン店であるが、近所では尼崎にしかなく、しかも週末は非常に混んでいるため滅多に足を運ばない。家族四人で尼崎店を訪れたのは、数年前のことであった。私が訪れたのはその一度きり。二度目は混んでいて断念し、以…

ある晴れた日曜日の記録

1安息の日曜、空は晴れ渡っている。朝の住宅街の静謐に心くつろぐ。ファミマでカフェラテを2つ買って家に戻る。家内と朝食を済ませ朝7時過ぎ芦屋へ向かう。日差しは暖かく風は爽やか。冷え込む季節はまだ先のこと、当分は秋を満喫できる日が続きそうだ。J…

いつの日にか母らはきっと報われる

1土曜日の午前中に今週の整理をし来週の段取りを行う。これでずいぶんと見晴らしがよくなる。難敵でありかなり手こずらされた尼崎の案件が今週末に許可となり、来週はほぼ半年かけて準備してきた申請がようやく3件ほど片付く見込みだ。その空隙を埋めるか…

たまには女房とはしご酒

1金曜夜、予定は何もない。プールで泳ごうという家内の誘いを固辞し食事に誘う。向かうは小路の「げんや」。ちりとり鍋が絶品であるとかねてから聞いていて訪れるチャンスを窺っていた。出汁が言葉にしがたいほど旨いという。その出汁を吸い込みグツグツ煮…

簡素で一本筋の通ったスタイル

1江坂での仕事が長引き、今日はマーキーミュージックモードを聞き逃す。木曜日と言えば、マーキーがニュース担当のクボさんの夕飯を当てるという究極的にアホらしいやりとりがあって、仕事後の心のささくれが癒えとても穏やか平和な気持ちにひたることがで…

私の目の黒いうちは

1蒸し暑い日であった。電車で帰ろうとホームに向かいつつクルマにすれば良かったと後悔する。涼しいはずの秋たけなわの頃合い。どこも空調は控え目だ。だから調子はずれの暑さに見舞われた日には、夏より暑いという現象が生じることになる。ホームに立ち噴…

私には真似できないそのガッツから学ぶ

いらつくことなど滅多にない。先を急ぐことはほとんどないので電車は鈍行を好むし、クルマでも近道よりは好きな道を選ぶ。電車では読書、クルマでは音楽を楽しむ。急いた気持ちになることほど居心地の悪いものはない。前もって支度し、のんびり過ごせば時間…

一番いいときがやってくるという確信と手応えに満ちたような時期

1頭痛が止まず天王寺へ向かう。田中内科クリニックにて助けを求める。クスリを処方してもらい数分後には楽になった。道すがら喜久屋書店に寄る。頭痛おしてまで仕事に励むことはない。予定のアポをこなしあとは本でも読んで安静に過ごすこととしよう。橋本…

誰かにとっては悲しいことであるはずなのに

映画館が家から近い。十代中盤に差し掛かるうちの男子も何かと入用で何やかやと買い求めガーデンズに寄るが、その際にはついでに映画を見てくるということが増えた。映画を見るのは男子のたしなみ。ひとり静か映画世界の前にたたずむという習慣は彼らの内面…

怖気走るまさかの結末

1始発電車のホーム。進行方向となる東の空を見上げると金星が明るく輝いている。その下にやや控え目な光を放って木星が続く。前座を飾る両惑星に引き続き、まもなく太陽のお出ましとなる。小一時間もすれば地上は隈なくその光で照らされる。土曜朝、京都行…

覆いかぶさってくる負けん気の憂鬱

1その昔、週末は武庫川沿いを走っていた。家内に連れられるときもあったし一人で行くこともあった。あるとき、子を伴った。完全に走り負けた。数年前のことである。体力に自信がない訳ではなかったが、二人の健脚に全く歯が立たなかった。私にとってはどち…

どの道やるならちゃんとやった方がいい

1野田阪神「たこや」で買った刺し身をつまみにし家内と差し向かい晩酌の時間を過ごす。家内によればラグビー日本代表監督エディ・マフィーについて朝日新聞に特集記事があったという。一次リーグについては南アフリカ戦だけに焦点をあて、考え得るあらゆる…

挫折などあり得ない、突き抜けろ

1谷町筋天王寺方向、夕陽ケ丘のマクドナルド前にクルマを停めて待つ。どのクルマも例外なく猛スピードで右横を走り抜けていく。長く連結された列車のように車群が形成され視界は延々と塞がれる。信号が変わったときのみ流れが止んで、母校の校舎が姿を現す…

心のなかを逆巻き渦巻く記憶のノイズ

1仕事を終えた帰途、西九条で途中下車して大福湯に寄る。ここのサウナのほどよい暖かみが気に入っている。これでもかという熱さのサウナでは逆に疲れが増してしまう。ふんわりしたぬくもりに包まれるかのよう、それくらいが疲労除去にはちょうどいい。一日…

確かな生活のディテール

1好天に恵まれた体育の日であった。空は一面の青、窓を開ければ隅々まで行き渡った眩しい青が車内に満ちていく。青に伴うキリリとした冷気が気持ちいい。休日のFMからは古く懐かしい曲がいくつも流れる。遠い昔の場面場面が淡い褐色の断片となって浮かんで…

一人前となった夜

日曜日、受験時代の友人と張り切ってUSJに向かった二男であったが、この三連休、年間パスは使用不可であった。やむなく梅田界隈で遊ぶことにした。ヨドバシカメラで家電を見物し陳列のゲームで遊びスタバでお茶した。それでも時間は余る。友人が家族で訪れた…

がんばれ、ミチノブ

1焼き鳥を食べたいとの二男の希望に従う。事務所の戸締まりをし武庫之荘へ向かう。駅を降り西へ徒歩3分。錦屋の灯が左手に見えた。家族は先に到着しすでに注文も終えている。わたしはテーブルの端に腰掛ける。家内の許可を目で得つつ慎み深い客人のように…

秋の夜長、子を持つ親なら必ず一読したい本

1金曜夜、予定は何もない。43号線から道意線を経由し臨港線を西へ進む。ららぽーと甲子園にクルマを停める。あたりはすっかり暗くなっている。クルマを降り金木犀の香りを一呼吸二呼吸、胸深く吸って味わう。秋の夕暮れ、頬と半袖の腕に感じる冷気が心地い…

大阪星光学院ウェルカムデー

1買い物嫌いだという中国人事業者との面談を終えたのが午後2時半。中国の商売人は11月11日の「独身の日」商戦に向け大わらわであるという。この独身の日に独り身の者が自らに贈り物をする。誰も彼もが大盤振る舞いをするらしく巨額のお金がこの一日で使わ…

振り返っていまだ涙が止まらないという人もいる

1秋の空気は柔らかくカラダは安らぎ、だから何を食べても美味しく感じられる。まもなく正午という時間。食の煩悩がむくりと起き上がり舌なめずりしながら、どれにしようかな神様のいうとおり、と昼食の選定をし始めた。ふと、遠い記憶が蘇る。ある警備業の…

中学受験まであと百日となった頃の思い出

1まれに過去の日記を振り返る。例えば去年の今頃。更に遡って、一昨年、一昨々年、その昔へと進み流し読みする。数年前の出来事があまりに近い。驚かざるを得ない。遠く過ぎ去ったように思え、実は近くに留まっている。2子らの中学受験についても、つい今…

相補い合う凸凹

1ウナギのキモにたっぷりネギを乗せる。今夜の飲み物は家内が柏原で買ってきた白ワイン。テレビ番組を全く見ないという家庭の話を家内から聞く。日本のテレビ番組はおぞましいほど下らないから、それが理由だそうだ。代わりに、ネットで探した海外のコメデ…

ヒラヒラとそこらを舞う蝶の視点で見てみれば

1イチジク生ハムをつまみにしてハイボールを飲む。使っているオリーブオイルがひと味違うと家内は言うが味音痴の私には分からない。おいしいか、そうでないか、私の味覚にはその二者択一しかない。ワールドカップラグビーの話題で盛り上がる。五郎丸のお株…

イタキモは不滅の言葉

1阪和線で天王寺駅に出る。いつもどおり人でごった返しているが、仏頂面に占拠される平日とは打って変わり、駅は週末の憩いのなかにあった。秋の空気も今が旬、人々を労うかのように柔らかだ。相手が笑えば、こちらも笑う。まさにそのようなメカニズムで、…

静かな暮らし第二幕

1日の入り後まもなくの時間帯、夕焼け小焼けとはこのような空を言うのだろうか、ほんのり赤みさす西に向けクルマを走らせる。光がふんだんに降り注ぎ、木々の緑の細部までが輝くかのような快晴の一日であった。日が暮れても日中を彩った清涼な青がまだ微か…

言ってもらえるうちが花

1急発達した爆弾低気圧の影響により激しい風雨に見舞われる夜となった。裏庭と接する窓シャッターがまるで襲来を受けたみたいにめった打ちという状態が夜半まで続く。アルミサッシがグシャグシャに潰されるような騒々しさのなか安眠はできず奇妙な夢をいく…