久々、仕事の手が空いた。
時間を愛おしむかのように深く呼吸し、朝の時間を過ごす。
コーヒー飲みつつ新聞を読み、眠くなってはソファに寝転ぶ。
映画を流し横目で観て、夢と現を行き来する。
この日に限っては向こうに行きっぱなしでも何ら差し支えない。
いつのまにか、昼。
家には二男とわたしだけ。
寿司を食べよう、そう持ちかけられて二人で出かけた。
カウンターに横並び。
注文の仕方は通とは正反対。
食べたいものから職人さんに告げていく。
大トロ、うなぎ、いくら、タイ、タコ、ヒラメ、いか、げそ、中トロ、本マグロ、ハマチ、中落ち、カンパチ、トロ鉄火。
秩序もへったくれもなく、目に入った順に頼んで一貫ずつ二男と分ける。
彼もわたしも大食感。
カウンターに並んで、リズム良く歌でも熱唱するみたい。
寿司を頼んで、パクリ頬張るときだけ押し黙る。
結局、何を食べたのか。
寿司食べた。
そんな大雑把な記憶だけが残る男らしい昼食となった。
夕刻、家内から迎えの要請がある。
ドライブがてら事務所近くのジムに寄ってから、指示された場所に向かう。
ちょうど日暮れ時。
淀川大橋は一車線なので大渋滞だ。
車列は遅々として進まないが、橋の向こうに夕陽が落ちる。
その様子を見ているだけで、心がふんわり和らいでいく。
橋の欄干越し、夕陽を捉えんと誰かがカメラを向けている。
それにつられて、わたしはその背ごと写真に撮った。
家内をピックアップし、買物しようとスーパーに寄る。
カゴを提げ、女房のうしろを付いて歩く。
今夜は鍋になるようだ。
息子は映画を観に出かけて留守。
十数年もの腐れ縁同士、鍋を挟んで向き合った。
二万語聞きつつワインを飲み適当に相槌を打つ。
このように、めでたくも弛緩し切った日曜の時間が幕を閉じていった。