水曜日、阿倍野で一日の業務を終えた。
帰り道、正宗屋と目が合った。
家で食べると家内には言ってあったが、足が引き寄せられいつのまにやらわたしはカウンターに腰掛けていた。
素材がよくて味もいい。
知る人ぞ知る浪速下町の名店である。
刺身を皮切りに名物いいだこ煮へと進み、焼鳥各種を渉猟する。
そして、すじ肉ポン酢で一息いれてシメは当然名物いいだこ煮。
やはり美味しい。
だから夕暮れ時、近くを通りかかれば、舌が働きかけて機会を逃さないということになる。
客層は独特。
不思議な趣きのおじさんが大勢を占めるので、デートや家族連れには不向きかもしれない。
が男一匹、不特定者のなか紛れて憩う場としては最適と言えるだろう。
さてさて今日木曜日は、北浜うおじ。
北浜うおじは、こんなものではない。
正宗屋で舌のウォーミングアップは完了した。
同じ美味しいにしても次元が異なる。
上には上がいる。
今夜わたしは昨晩を上回る感嘆の声をあげることになる。