KORANIKATARU

子らに語る時々日記

風が心地いい夏の早朝


朝七時には開門となる。
宿題を終えてしまうため一番乗りを目指し学校へ向かうつもりが二男は少し寝坊してしまった。

それでも昼まで学校で勉強しほぼ宿題の目処はついた。
午後、最後の仕上げをするため二男が事務所に寄る。

そのとき飛脚は出払い、私は不在で事務所にはツバメ君しかいなかった。
こんにちはと挨拶し二男はそそくさカジュアルな服装に着替え事務所の一隅で宿題の続きにとりかかった。

週明け24日が宿題提出日であり、長男の学校と同様、実質その週から学校が始まるようなものである。
長男の学校では24日に学校が始まって翌日にはいきなり課題テストが行われ、二男の学校では九月初っ端に二日に渡って実力テストがある。
その前に夏の成果を競う研伸館のスーパー模試が23日午前にある。

夏のハッピーウィークは瞬く間に過ぎ去り、単調で地味な日常がまた舞い戻ってくることになる。
海にスポーツに十分に夏を満喫し、24日直前まで夏を謳歌し尽くし、そして平然と平素の日常に還ってケロッと佇む二人であることだろう。


私が事務所に戻った時、二男はテイクアウトした鮮や丸の海鮮丼を食べていた。
おやつだと言う。

ちょうどよかった。
名作だというので買ってあったデビルマン全三巻があった。
ママには内緒だと言って、その三冊を二男に差し出した。

宿題は仕上がらず、デビルマンのページが繰られ続ける時間が始まる。

今週も後半から忙しく勉強などしている間がない。
腰落ち着けて取り組めるのは、今日と明日のみ。

その貴重な今日の午後の時間を、父である私がデビルマンで台無しにしてしまったようだった。
やることは山ほどある。
勉強なんてボチボチやればいいのである。


例のごとく、上方温泉一休へと二男とともに向かって、露天に寝そべり、ミストを浴び、熱めの温泉と水風呂に交互身を浸す。

帰り際、クルマに乗るときに二男が言った。
「最高にとろける時間だ」

風呂あがり、音楽聴きつつ過ごす車内助手席の時間が、二男にとっては至福の時なのであった。

デビルマンの続き読む二男を横目に家へ急ぐ。


子らの夕飯は特製のつけ麺。
これは極めて上出来であったようだ。
グルメの達人以上に成熟した舌を持つ長男も家内に賛辞を贈る。

麺をお代わりした後、二人はスープに湯を足し、名残惜しむように静か味わう。

もちろん私に麺が供与されることはない。
ゴーヤチャンプルを肴に、子らが勢いよく麺をすする様子を眺め、その味を想像するだけであった。


今朝六時。
階段を上がってくる足音が聞こえる。

階上の人であろうか、朝早く精の出ることだ。
と思っていると、事務所の扉が開いた。
二男であった。
朝五時に起き出し始発でやってきたのだった。

デビルマンを昨晩で読み終えた、今日は勉強に集中するという。
風が心地いい夏の早朝、事務所はすでにトップスピードで稼働し始めた。

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