KORANIKATARU

子らに語る時々日記

おれはおれという気概

路上を少し歩くだけで汗ばむ夏日。

こんな日は仕事後の風呂が格別となる。


最終地点は門真。

事務所に戻って残務をこなし、風呂屋に寄ってザンブと湯船に飛び込んだ。


熱い湯に疲労が燻され、湯気とともに雲散霧消し清々しい。


風呂をあがると家内からメッセージが届いていた。

アワビと初ガツオをゲットしたということだった。

写真も添えられエサとして十分。

わたしはまっすぐ家に帰ることにした。


このところ家内とゆっくり食事することが楽しい。

そのためワインが欠かせない。


白ワインを選んで電車で半時間。

家に着き夫婦二人で食卓を囲んだ。


たった一日でも盛りだくさん。

山越え谷越えあれこれ乗り越えて生還、そんな満足感にひたりつつ夕餉の時間にくつろぐ。

 

結局二男が塾から戻る夜10時頃までくっちゃべった。


二男は二男で我が道を行き、長男とは異なる塾を選んだ。

学校の友だちは誰もいない。


皆で集まって過ごすみたいになる塾とは訣別し、ピンとなって受験に臨む。


おれはおれ。

受験に際し、こういった気概がないと覚束ない。


長男の受験を経ていまそう痛感する。

手放しで賞賛されがちな面倒見も実は諸刃の剣。


学校に恭しく従い学校の機嫌窺うような受験をした者と、斜に構え我が道を突き進んだ者とでは結果異なり、我が意を得たのは当然後者の方だった。


子の人生なのだから何を重視すべきか明らかで、誰憚ることなく子の好きにさせるべきだった。

後でそう振り返り涙する親もいた。


おれはおれ。

長男とは別の個性の二男であるが、おれはおれという点で共通している。


真面目で行儀よく従順であるより、「は?」と周囲一瞥するくらいの度胸で胸張って進む姿の方が成長過程として見応えがある。

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2019年4月22日夕刻 鼻先にぶら下げられたニンジン