KORANIKATARU

子らに語る時々日記

折詰がその仲を取り持った

天王寺駅を降り時計を見ると18:50を過ぎていた。

開宴は19:00。

さるクリニックの先生の歓送迎会が行われる。

 

遅れるのは失礼だ。

わたしは歩調を速めた。

 

二分前に到着し、やれやれ一安心。

が、座敷に案内されて驚いた。

人影はなかった。

 

点となった目がもとに戻りはじめたとき、39期の精神科医が現れたので向かい合って座った。

間をおかず33期のカネちゃんも姿を見せた。

星光生はいつだってどこだったパンクチュアルなのだった。

 

しばし雑談となる。

聞けば39期は39期で2年毎に同窓会を開催しているらしく、同窓会以外でもしょっちゅう集まっているという。

33期カネちゃんも前夜、寿司を食べたというがカウンターに並んだ顔ぶれは33期&相良さんだというので、顔を合わせる頻度については、39期であれ33期であれ似たようなものなのだろう。

 

39期では70名が医者になったそうだ。

ちょうど一巡の六年差、33期の80名と似たようなものであり、数ある期のなか類似性濃く面白い。

 

そうこうしているうちに出席者で座敷は埋まり、39期の彼が指名され、その乾杯の発声で宴がはじまった。

 

阿倍野の魚市は魚が美味しい。

鯨ベーコンやカラスミといった珍味から始まって、豪勢な刺し身盛りがテーブルを飾った。

個性豊かな先生方の話はどれもこれも興味深く、そこにいてとても楽しくお酒もすすむ。

 

やや遅れてカンちゃん先生が現れた。

ちょうどいまアメフトが話題の旬。

かつて京大ギャングスターズで東海と一世を風靡した俊足のカンちゃん先生に皆で見解求め、しばしアメフト談義で場が熱くなった。

 

そうそう、福効医院開院10周年の会に参加できず残念だったとの旨、カンちゃん先生から伝言を預かっているので、ここに書き記して置くことにする。

 

既知の先生はもとより初対面の先生方とも打ち解け過ごすうちあっという間にお開きの時間が迫った。

見れば手付かず残った料理が山ほどあって勿体ない。

 

子らの顔が浮かんで、わたしは店員から折詰を幾つももらって、ふぐの唐揚げや寿司、鮎の丸焼きなどを詰めていった。

 

と、わたしの姿に賛意を表し若手精神科医のひとりも、わたしに倣った。

 

二人で分け合いせっせと豪華な料理を詰めていく。

童心に返って小川のせせらぎで魚捕りでもしているようなものであった。

折詰仲間となった先生については名を聞きそこねたが、友情が生まれたことは確かなことだった。

 

駅までクリニックのボスと二人で歩き、お礼を述べて改札で別れた。

友情の印とも言える折詰を握りしめ、わたしは家路についた。

子らの喜ぶ顔が思い浮かんで、幸せ噛みしめるような思いで電車に揺られた。

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2018年5月25日午後7時定刻 寿司割烹あべの魚市