食後、二男とソファに並んで座る。
揃って読書に勤しむ。
二男が聞く。
何の本を読んでるの。
本の背表紙を二男の前にかざす。
山本真司著「実力派たちの成長戦略」。
著者の新刊が出たと知って何一つ迷うことなく買ったものであった。
駆け出しの頃から傍らに置き参照し続けた「30歳からの成長戦略」については一年前の日記でも取り上げたが、それ自体で十分に完結した名著である。
その名著がより一層充実した内容となって帰ってきた。
前著「35歳からの脱頑張り仕事術」で披露されたブレインジャックなどのメソッドをはじめとし、新たな知見がふんだん贅沢に盛り込まれ、内容にも磨きがかかっている。
読まずにはおられない。
世にあるほとんどのビジネス書は、まさに竜頭蛇尾、お粗末な内容を大言壮語するだけで何の役にも立たない。
そのようななか、「30歳からの成長戦略」と出合えた人は幸運だったと言えるだろう。
私もその一人であった。
この本に助けられたというのが実感であり、読書で著者に感謝の念を抱く経験などはじめてのことであった。
著者は仕事において何度も窮地に追い込まれ劣勢に立たされ、しかしいくつもそのような場面を切り抜けてきた。
その過程で得られ磨かれた著者の智慧はどれもこれも簡潔かつ実践的だ。
それを決して飾らず等身大の言葉で著者は語る。
貴重な叡智が、読む者の心に滲み入って長く留まることになる。
時間管理から目標設定、心身のケア、情報収集、オン・オフの切り替え方まで仕事にまつわる全てに渡って具体的な指針が得られ、「要は何をすべきなのか?」を知ることができる。
まさにバイブルと位置づけるべき書と言えるだろう。
当然、これらの本は、子らに引き継ぐ書棚最前列に並ぶことになる。
そのように二男に話しているうち、ザ・シネマで「ライフイズビューティフル」が放映される時間となった。
「ライフイズビューティフル」についても以前この日記に書いた。
二男に言う。
これは是非とも見なければならない映画だ。
本を置いて、ともに見る。
痛切な何かについて、二男は学んだはずである。