仕事柄、付き合う方はほとんどが事業主である。
みな一様に裕福だ。
そんななかに身を置いていると、おのずと心は謙虚に澄み渡ってくる。
肩に力入れたところで背伸びしたところで、及ばぬものは及ばない。
上には上があって、その上の上にも上がある。
上下差について視覚的に捉えることができると、そこに浮かぶ瀬はないと明瞭明白に分かる。
それで、かえって気楽、自身の等身大を素直に受け入れるような気持ちになれる。
無駄な抵抗は無駄である以上にみっともない。
形だけ取り繕って上であるように見せても、見る人が見れば馬脚あらわで、自らの位置と見苦しいような不本意感を声高にしてしまうだけのことになる。
その寒々しさを思えば、身の程わきまえ慎み深くあろうとするのが知性というものだろう。
金曜夜、鳥貴族でひとりビールを飲みつつ自身の心の平穏について考えた。
真面目に過ごしてそれが当たり前に思えて幸福なのは、親の在り方の影響が大きいのだろう。
飾らず地道。
上を見るより地に足つける。