家内にメールしながら事務所で弁当を食べる。
ヒレカツが美味しい。
そう送ると、山垣の肉をオリーブオイルで揚げたと説明が返ってくる。
このエビは福臨門レベル、何と言う名の料理なのか。
そう尋ねると、エビと豆のニンニク炒めだと返事が届く。
週末に同窓会がある。
そう伝えると、箱根山体操を踊るのかと質問がきた。
まさしく。
どうやら回避できぬようである。
一次会のラスト。
全員で箱根山体操を踊ることは既定路線であって揺らがない。
この歳になって雁首揃えて踊るなど意に沿わない。
しかも熾烈を極めるほどにダサい動きの箱根山体操である。
想像するだけで気が滅入る。
家内によれば、二男も同様。
映画などで目の肥えた彼のことである。
箱根山体操みて目が白くなるのは避けられない。
長男の学校の場合、ダンスは自由。
創意に富んで、格好がよくて喜楽に満ちている。
だから体育祭や文化祭があるごとに家内は長男のダンスをビデオにおさめ、思い立っては家族で見返し、その喜楽を何度も反芻するということになる。
が、箱根山体操については観賞に堪え難い。
踊る方は更に激しく耐え難い。
同窓会は明後日。
矜持と体裁を秤にかけた結果、涙ながら長いものに巻かれるということになるのかもしれない。
箱根山体操を踊った。
そう息子に伝えれば、彼は寒気を覚えるほどに恐怖するに違いない。
いい大人になってまであの振り付けから逃れられないのか。
彼は同窓会の類とは袂を分かつという結論を出すかも知れない。
わたし一人、BlackPinkを踊ろうか。
そうした方が、子は父を誇りに思えるのではないだろうか。
あるいはその逆だろうか。
はてさて、どうしたものか。
時は迫って、思案に暮れる。