学校帰りの二男と合流し家内のもとへ向かう。
夕闇の街路に無数のクルマが駐停車している。
車列のなか二男が一目で我が家のクルマを見つけ出した。
塾生活は伊達に長いものではなかった。
迎えのクルマを探すことにかけて二男は名人の域に達していると言えるだろう。
わたしが運転を代わってハンドルを握る。
法隆寺インター近くに美味しい四川料理の店があってお土産を買ってきたという。
外食は取りやめそれらをつまみながらワインでも飲もうと話が決まる。
ちょうど小雨がぱらつき始めた。
雨降る週末であれば家での団欒に勝る時間の過ごし方はない。
土曜宵の口、神戸へとまっすぐ続く二号線は混み合っている。
帰途の行程をのんびり楽しむみたいにゆっくりクルマを走らせる。
メールで日々伝えられる長男の近況について話し、今日あった事柄について話し、春の予定について話し、二男の学校について話す。
テールランプとヘッドライトの光が行き交うなか、穏やかな日常が家族ごと運ばれていく。
まもなく家に灯がともり食卓に賑やかな時間が訪れる。