まずはわたしから。
背中をアロマでマッサージしてもらう。
肌を通じてアロマの効能が芯まで届くのが分かる。
背中各所に居座る疲労が分解されて消えていく。
市販の湿布をベタベタと貼ってしのぐより、効果てきめん即効性がある。
しかも香りが段違いにいいので比べものにならない。
引き続き仰向けになって、首の付け根、頭部、耳周辺へとマッサージが進む。
そして耳つぼをもれなく押してもらっての仕上げとなる。
ひと押しひと押し全身に埋め込まれた疲れの地雷がはじけて、心地よさに置き換わっていく。
これはもう夢見心地である。
引き続いては、待ち構えていた二男の番。
わたしと同様、背中、首、頭部、耳周辺、そして耳つぼへと施術が進む。
あまりに気持ち良かったのか、にこやかな笑み浮かべたまま、彼は耳つぼを押してもらううち寝入ってしまった。
何かそこにあるスイッチでも押されて完全オフとなったかのよう。
母の腕のなか、どこまでも深い眠りの世界に安らいでいるように見える。
翌朝は抜群の快調さでの目覚めとなった。
二男と横並び寝ていたが、むっくと同時に起きだした。
耳つぼマッサを受け一晩のうち、気力体力が新品同様の復元をみた。
朝一番、体軽やか心の支度もすでに整っている。
わたしは仕事、二男は宿題の残りを片づけねばならない。
まさにファイト一発。
まるでCMを地で行くかのよう、生まれ変わった屈強男子は元気ハツラツ家を飛び出した。