KORANIKATARU

子らに語る時々日記

極寒にも一片の陽だまり

貧困が恐ろしいのは心まで壊すこと。
産経ニュースのキャッチに目が留まる。
記事のなか『陽のあたる家』というマンガが紹介されている。
生活保護家庭の苦悩が描かれているのだという。

アマゾンで購入する。
在庫僅少のようで配達予定は3月下旬と表示されている。

近頃やたらと貧困、貧困という文字が目に触れる。
新聞を開けば貧困、雑誌の見出しにも貧困、ネットのなかも貧困だらけ。

もはや貧困は遠いどこかの出来事、見ず知らずの可哀想な人々の話ではなくなった。

21世紀日本の至る所が貧困に浸食され続けている。
道を歩けば一体いくつの貧困とすれ違ったのか数知れないということになる。

貧困の寒風が吹き荒び、いつ何時、その魔の手に絡め取られるか油断できたものではない。
誰の身に降りかかっても不思議ではなく、実際、あちらこちらに降りかかり続けている。

いま現在はキラキラと見える場所や人や街がある。
もしかしたら、それは最後の輝き、この先それらは一気にくすんで色あせていくのかもしれない。

歳を取ってからこりゃやばいと焦っても遅きに失する。
高齢になればなるほど懐の寒さは身に応える。
貧困に見舞われればただでさえたいへんな人生が、さらに輪をかけてしんどいものとなっていく。
これは苦しく、本当に苦しい。

だから早くから、うんと若いうちから日本をとりまく構造的な貧困について知り考え始めねばならないだろう。

貧困に呑まれてしまうともはやそこから脱するのは至難の業となる。
呑まれる前にしか手立てを講じることができない。

誰かは生き延びねばならない。

貧困を向こうにまわす対抗勢力の陣地に踏みとどまるにはどうすればいいのか。
誰にとっても看過できない大テーマとなる。

戦況思わしくなく貧困の手に落ち為す術失えば、貧乏など屁でもない、極寒にも一片の陽だまり住めば都なのだという境地で生きるしかないだろう。

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