強い台風16号が南西方面から迫りつつあり天気予報は大雨を告げている。
が、外を見るとお湿り程度。
ぱらつく小雨が地上の音を余さず吸い取り日曜朝、あたりはしんと静まり返っている。
友だちと映画を見て飯を食う。
そう言って二男が出かける支度をしている。
人数は5,6人。
難波で集合なのだという。
お金を渡し玄関まで見送る。
空を見上げ二男は折畳傘を携えた。
二男が出発してから小一時間、長男が起き出し支度を始めた。
難波で友だちと映画を見て飯を食うのだという。
誰と行くのかと聞けば我が家常連のメンバーら5,6人。
お金を渡し玄関まで見送る。
彼は傘を持たずに出かけて行った。
雨模様の日曜日。
男同士で映画行くのが微笑ましい。
ともに行き先が難波であるから、両グループがどこかで鉢合わせすることもあるかもしれない。
十数人が連れ立って同じ映画を見る様子を想像してみる。
やはりなおさら微笑ましい。
皆で集まって過ごすのがやたら楽しいという年頃だ。
映画や飯、というのはいわば付録のようなもの。
要は集まれればいいわけで、どこで何をするのか、なんていうのは二の次三の次のことである。
友だちと過ごすちょっとした時間。
何でもないような時間に思えて、実はとびきりの価値を持つ。
不思議な縁で出会って馬が合い、一緒にいて楽しい。
これこそが人生の彩り。
いつか先々振り返ったときそこが光ってキラリ輝く。
長男からメールが入った。
「君の名は」に感動した。
おすすめだよ、観た方がいい。
彼らはこれから引き続き二本目の映画を見るのだという。
わたしは二男にメールする。
「君の名は」が面白いらしい。
この情報を二男が参考にするかもしれない。
いま彼らは難波にいる。
仲間に混ぜてもらっているような気がしてきて、年甲斐もなく楽しい。