お詣りしようと大阪天満宮に立ち寄るが人だかりあって本殿に近づけない。
神輿の宮入りが間近に迫っているようであった。
耳を澄ませば遠くにワッショイワッショイとの掛け声が聞こえてくる。
宮入りを見届けようとも思うが暑すぎる。
この後に面談も控えている。
油を売っている場合ではなかった。
日陰を求めわたしは天神橋商店街へと足を向けた。
しばらくするとワッショイワッショイというライブ音声が音量増しながら間近に迫ってきた。
まもなく商店街というところ。
商店街の横腹を突き破るように突如大勢の女子が吐き出されてきた。
ギャル神輿の軍勢であった。
まるで暑さに狂喜乱舞するかのよう。
跳ねるように神輿を担ぎ、高らかに声を張り上げている。
カメラを向けると躍動の度が増して掛け声のボルテージがあがった。
祭りによって激情が解き放たれる。
猛烈な暑さでさえ快といった極限の境地が垣間見えたようなものであった。
この歳になって祭り見物をすることはないが、不思議なことに天神祭にだけは毎年縁がある。
今年も見せ場の一つに図らずも触れることになった。
お詣りする機は逃したが、きっとご利益あるのだろう。


