KORANIKATARU

子らに語る時々日記

故郷が胸に刻まれた夏

その日が事実上、夏休みの最終日になった。

 

GWは六甲山から有馬温泉。

19日の日曜はUSJを開館から閉館まで満喫。

二男が企画し部活仲間と連れ立った。

 

明けて月曜からは補講があって部活もある。

日常が再開したも同然と言えた。

 

それでも二男にとってはイベント目白押し。

バラエティに富む楽しい夏だったはずである。

 

かたや兄貴は朝から晩まで単調な日々をくぐり抜けるだけの、夏休みの「な」の字もないひと夏を過ごした。

 

とはいえ、そんな無味乾燥な時間の流れにこそひときわ鮮烈な何かが飛び込んでくる。

 

同じく19日の日曜のこと。

地元の図書館に行って帰って過ごすだけの何の変哲もない一日。

自転車で走っている何気ない瞬間、長男は突如込み上がってくるような感慨をもって住む街の素晴らしさを強くありあり感じることになった。

 

いずれはここに居を定めたい。

そう思ったというから、その刹那に故郷への思いが胸に刻印された、と言っていいのだろう。

 

彼を捉えた感覚は、まず間違いなく終生残って離れない。

ここに住むのかどうか定かではなく、おそらく異なる街で暮らすことになるのだろうが、彼がこの先故郷を忘れることはないだろう。

 

ところで、昨晩。

ジムを終えて風呂をあがって家に帰ってからの家内との話題は、この夏に食した最高メニューについて。

 

長男にとっては近所の中華のエビチャーハンと激辛麻婆豆腐。

二男についてはデリー上野店のカシミールカレーではないだろうか。

様々なシチュエーションも含め、それらがこの夏、彼らにとって屹立する食事になったはずである。

 

そんなことを子らの心境を想像しながら話し合う。

 

そしてもちろんデザート部門では千疋屋総本店のバナナクリームと杏仁豆腐。

こんなうまいものがあるなんて。

家族一同、胸震わせた。

忘れられないひと夏の味わいであった。

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千疋屋総本店 バナナクリームと杏仁豆腐