わたしも家内もカラダを鍛えに鍛えている。
だから平地での歩数が3万を超えたところでどうってことはない。
土曜の夜、銀座のイルミネーションを眺め終えホテルに戻った。
オートロウリュサウナなどコリドーの湯がいいとの評判で予約したホテルであったが、実際に訪れ家内がいたく気に入った。
計7回、夜中2時までサウナに入って過ごしたのであるから、次に泊まるときもここがいいとの言葉に嘘偽りはないだろう。
サウナ効果で目覚めもよかった。
朝から食欲も旺盛に快調な出だしとなった。
銀ブラして午前中を過ごし、昼は蕎麦にしようと家内が言うから地下鉄を使って乃木坂へと向かった。
蕎麦屋の充実度においても東京は他地域と比較にならない。
この日選んだ「おそばの甲賀」も実に素晴らしかった。
天ぷらせいろと鴨芹そばをともに大盛りで頼み、家内と感嘆しながら味わった。
おいしい蕎麦を食べて更に快調の度が増した。
そこから歩いて根津美術館を訪れ、国立新美術館にも足を延ばし、そしてクリスマスイブのイベント設営で大わらわの六本木ヒルズを経てから虎ノ門ヒルズで無料の演奏会を鑑賞し、来月宿泊する予定のホテルを見学し、まだまだ歩いて日比谷に出てその界隈を散策し、これまたイルミネーションで美しい丸の内仲通りの群衆の渦に埋もれて歩き、そして最後は大手町ワンにてイルミネーション見物を締め括った。
ここまでで相当歩いていたが、歩けば歩くほどガッツが湧き出て、大手町から地下を伝って東京駅へ向かい、どこで食事しようかと物色をし続け、たまたま二席空いていたタコスの店がゴールとなった。
犬も歩けばというとおり、この店が大当たりだった。
天然素材にこだわったタコスはまさにわたしたちの好みの味で、選び抜かれたナチュールワインも実に美味であったから、オレンジ、泡、白などグラスが空く前から立て続け次のグラスを何杯も頼んで、つまり要はがぶ飲みしたのだった。
もちろん疲労はあった。
が、だからこそ飲んで食べて沁み渡り、総じて今回も実に楽しい時間を過ごすことができた。
まもなく汽車の時刻が迫って、そこで歩数をみるとこの日も前日同様3万歩を超えていた。
わたしたち夫婦の場合、その歩数自体が楽しさの指標と言えるから、なるほどそりゃ楽しくない訳がないのだった。