帰省してすぐ鷲尾先生に診てもらうと二男は言った。
喉に少し違和感があるとのことだった。
家に着くなり支度して彼は「わしお耳鼻咽喉科」へと出かけていった。
そこで親身に診てもらって症状についての説明も分かりやすくほっと胸を撫で下ろした。
二男は自分のコンディションに何の問題もないと確認することができた。
元をたどれば33期のタコちゃんの存在があっての縁だった。
タコちゃんが鷲尾先生を紹介してくれ、以来、長くお世話になっている。
鷲尾先生は甲陽学院出身であるが、うちの二男が大阪星光に合格したときにはお祝いとして、わたしたち家族全員を門戸厄神のきらく寿司に招いてくれた。
息子たちはそこではじめてクエを食べ、そして彼らの胸のうちクエが史上最高に美味しい魚として君臨することになった。
帰省二日目には西田辺の「きじ歯科」にて二男は歯のメンテナンスを受け、そのあと西宮の「にし整形外科」で診察を受ける。
それぞれ院長が33期と31期である。
東京にいてもこっちに帰ってきてもどこを向いても大阪星光がまさに星の光のように瞬いて、あたたかく手を差し伸べてくれる。
なんて恵み豊かな学校なのだろう。
ちなみに彼が免許を取ったばかりの初運転の行き先は家内を乗せての芦屋の阿部レディースクリニックで、これまた院長が33期であるから、まあずらり綺羅星のごとく周囲に大阪星光が居並んでいると言うしかない。
そして今回の帰省のメインイベントが28日に執り行われる。
場所は京都のみずほホッケーグラウンドで、そこに65期と66期のホッケー部OBたちが集結する。
高校卒業後4年目と3年目の学年対抗戦は、本気の決闘とまではいかずとも単なる遊びからもほど遠い。
つまりちょうどいい感じの火花が散って、そんな交流の場にそれぞれが主役として参加できるのであるから幸せなことこの上ないといった話である。
振り向けば至るところに大阪星光がいて、輝かしい。
そんな光の輪の中にある様子が息子から実にヴィヴィッドに伝わってくる。