食欲の秋というが、春夏秋冬を通じてわたしの食欲は常に出力全開で季節を問わない。
今日もおいしい食事にありついた。
昼は事務所近くの「ドギャン」を訪れた。
高井田そばや燕三条そばなどラーメンの種類が多彩でどれもおいしい。
メニューを眺めて目移りしつつ、この日はこれまで食べたことのなかった油かすラーメンとやらを注文してみた。
出汁はかつおぶしか煮干しの二択であったが前者を選んだ。
風味よくコクあって出汁が麺とよく絡んで実においしい。
出汁を倍増しで堪能するためライスも頼んであったが、そうして正解だった。
きっと煮干しもうまいに違いないと次回の抱負を胸に、店主の引き出しの多さに感心しきりとなった。
心満ちる昼食を終えて業務にかかり、まもなく夕刻。
夜は西宮の「わびさび」を予約してあった。
エステ帰りの家内と店で待ち合わせた。
「新地で鳴らした凄腕の職人が西宮に店を出す」
天六のいんちょからそんなビッグニュースを伝え聞いたのは何年前のことだっただろう。
近所だったから通い始め、家内も気に入り何度か足を運んだが、どこかのタイミングで予約が連続して取れないことがあって、それでなんとなく足が遠のいてしまっていた。
焼鳥屋は数多い。
しかし、どの店もこれといった決め手にかけて、わたしたちは迷走を続けていた。
それで家内と初心に返ったのだった。
なんのことはない。
予約が取れなかったのは定休日にわたしが電話を掛けていたからだった。
日曜だけが休みと思い込んでいたわたしの諜報力不足が原因だった。
あちこち行脚していたが、やはり焼鳥屋についても灯台下暗し。
わたしが先にはじめていると間もなく家内が現れた。
わたしの注文とは別様に家内が串を選び、どれもこれもがおいしくて背を押され、そのおいしさを確かめるように家内が次々と注文していった。
それで結論。
ここがNo.1といって差し支えないだろう。
わたしたちもそうであったが、隣席に座るよい年格好の夫婦も「いやあ、おいしい」と感嘆しどおしだった。
その他の客も落ち着いた感じの大人風情を漂わせ、大将の技量の高い焼き鳥を物静かに堪能し、そんな雰囲気もまたお店選びに欠かせない大事なポイントと言えるだろう。
地元に定番の店ができると嬉しい。
もう焼鳥となればこの店で事足りるから、余計なことを考えずに済み、無駄な労力を割かずに済む。
そして週末。
子どもたちが巣立って家では「卒料理」といったことになったようであるから、ではどこでなにを食べようか。
四季を問わずおいしいものばかり食べて過ごす人生は明日も明後日もまだまだ続く。