クリスマスを過ごす場所として一昨年は東京、昨年は博多、そして今年は再び東京を選んだ。
前夜、午前様だったから新幹線では寝て過ごした。
途中、家内が気を利かせて起こしてくれた。
おかげで、今年一番の快晴のもとクッキリと美しい富士山の雄姿をこの目に焼きつけることができた。
東京に着いてまず先、荷物をホテルに預けて銀座でお茶した。
結局、息子たちとは予定が合わなかった。
もはや彼らにとってクリスマスは親と過ごすものではないのだった。
だから持参した食料はわたしが届けることにした。
家内が銀座で買い物する間、わたしは一人、息子たちが不在の部屋へと赴いた。
家内が一日がかりでこしらえたステーキや焼肉、そしてこのほど家内が料理教室で習得したばかりのカルビチムといった食料を置き、いまもってわたしはサンタクロース役を遂行しているのだと思った。
厳しい寒さに見舞われていた大阪とは異なり、東京はぽかぽか陽気だった。
本郷から高円寺へと回ってさすがにサンタも汗ばんで空腹も極へと至った。
だから無事に任務を果たし終え、高円寺の駅前で遅めの昼食をとった。
食べ終えて午後3時。
家内からメッセージが入った。
「午後4時、大手町ワンに集合」
そこではニコライ・バーグマンによるクリスマス・インスタレーションが展示されていた。
こうしてこの日、歩数3万を超える東京行脚の幕が開いた。