KORANIKATARU

子らに語る時々日記

いい湯加減の毎日


キツメの申請3件終えればもうどこにも力が入らない。
ぼーとしていても抜け殻状態を脱することはできない。

夕刻前の大阪府庁咲洲庁舎を発ち、クルマを駆って銭湯に向かった。
大型のスパだと逆に気疲れしてしまう。
こじんまり静まった銭湯の方が休養という点では効き目が大。

なかでも西九条にある大福湯はダントツで素晴らしい。
ここら界隈では他にすすめることのできる風呂はない。

ほどよい密室感のサウナで外界から遮断され電源オフとなる。
氷張る寸前という程に冷たい水風呂が疲労除去を急速に促す触媒となる。
熱めの湯船で仕上げて、もうすっかり、心身再生。

最短の原状回復コースと言えるだろう。


お風呂と言えば、中国映画の「こころの湯」は必見であろう。
中国の小さな町が舞台だ。

風呂が主役であり、風呂が古き良き共同体を象徴している。
とても懐かしいような郷愁にふけることができ、湯に浸かったみたいに心が温まる。

挿話される砂漠の嫁入りの話が実にいい。
砂漠では風呂に入るなど贅沢の極みであるが、嫁入りの前日、風習として新婦は必ず風呂に入って身を清めなければならない。

新婦の父は食料と引き換えに、集落の家々から水を集め、そして湯を炊く。
その入浴シーンはじーんとくるほどに感動的だ。
新婦の感慨が伝わってきて、お風呂がどれほど重要な存在であるか思い知らされる。

見れば誰でもああお風呂にゆっくり入りたいと気が急くに違いない。


事務所に戻り後片付けしていると、長男がやってきた。
期末テスト前、ひと勉強していくという。

終業後の事務所に長男を残し、冬支度の買物終えた家内と合流する。
先週に引き続き、活菜に向かう。
ここは煮ても焼いても勿論生でも魚が美味しい。

アサヒスーパードライの瓶を頼んで、まずはコップ一杯一息に飲み干す。
日中の仕事がいくらハードでドライであっても、いつだって、夜はやさし、だ。
全てが癒える。

人生自体が、いい湯加減。
サウナで汗かき水風呂でカラダ冷まして、湯に浸かる。
こんな風に心地よく循環していくのだと芯から体感し、刺身つついてビールをお代わりする。

この後、二男を迎え、こじんまり家族4人で家路についた。